研究課題/領域番号 |
19K22552
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分50:腫瘍学およびその関連分野
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研究機関 | 愛知県がんセンター(研究所) |
研究代表者 |
籠谷 勇紀 愛知県がんセンター(研究所), 腫瘍免疫応答研究分野, 分野長 (70706960)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2020年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2019年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 養子免疫療法 / キメラ抗原受容体 / T細胞疲弊 / サイトカイン / メモリーT細胞 / 免疫チェックポイント分子 / 長期生存能 / PD-1 / JAK-STAT経路 |
研究開始時の研究の概要 |
がん細胞を特異的に攻撃するT細胞を患者に輸注する養子免疫療法は悪性腫瘍に対する有望な治療法であるが、持続的な治療効果が得られる症例は限定的である。抗腫瘍T細胞は慢性的な抗原刺激に伴い疲弊し、その機能が減弱することが知られている。免疫チェックポイント分子PD-1の阻害は疲弊T細胞の再活性化に有効であるが、治療効果として不十分である。本研究では、PD-1の細胞外ドメインとT細胞機能に重要なサイトカイン受容体の細胞内ドメインを連結したキメラ分子を開発し、PD-1シグナルの阻害とサイトカインシグナルの付与を同時に行えるようにする。同分子を抗腫瘍T細胞に発現させることでその治療効果を高めることを目指す。
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研究成果の概要 |
本研究は、腫瘍抗原を認識するT細胞を体外で準備・増殖後、患者に輸注して腫瘍細胞を攻撃させる養子免疫療法の治療効果を高めるために、抗腫瘍T細胞に疲弊回避と長期生存能を付与するための遺伝子改変方法を探索した。疲弊シグナル解除は細胞内ドメインを欠くPD1分子を過剰発現することにより、長期生存能付与はサイトカインシグナルの活性化によりそれぞれ達成することとし、両機能を有する人工受容体分子を開発した。同人工受容体分子を発現させたキメラ抗原受容体導入T細胞は細胞増殖能・サイトカイン分泌能などの指標で優れた機能を獲得したことから、開発した人工遺伝子が目的とする機能をT細胞に付与できることを確認した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
がん細胞を特異的に攻撃するT細胞を体外で準備して患者に輸注する養子免疫療法は、近年一部の血液がんで優れた効果が実証されたCAR-T細胞療法に代表されるように、難治性がんに対する有望な治療法であるが、多くのがんに対しては未だ治療効果が証明されていない。本研究開発の知見によりT細胞機能を高めることで、養子免疫療法の治療効果、適応がん疾患を拡大させられる可能性がある。
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