研究課題/領域番号 |
19K22554
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分50:腫瘍学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
合山 進 東京大学, 医科学研究所, 准教授 (80431849)
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研究分担者 |
坂本 毅治 東京大学, 医科学研究所, 准教授 (70511418)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2019年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
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キーワード | クローン性造血 / 固形腫瘍 / ASXL1 / 腫瘍免疫 |
研究開始時の研究の概要 |
全身を流れる血液細胞の異常は万病の基となる。最近のゲノム解析により、特定の遺伝子変異を持つ異常な血液細胞がクローン性に増殖する「クローン性造血」が、健康な高齢者の血液中にしばしば認められることが明らかになった。さらに最近、固形腫瘍患者ではクローン性造血の存在頻度が非常に高く、またクローン性造血を有する患者の予後は悪いことが判明した。この観察結果は、固形腫瘍の存在がクローン性造血を促進し、クローン性造血が今度は固形腫瘍の生存を促進するという、悪性サイクルの存在を示唆している。そこで本研究では、クローン性造血のモデルマウスと複数の固形腫瘍モデルを組み合わせ、両者のクロストークを解明する。
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研究成果の概要 |
近年のゲノム解析により、特定の遺伝子変異を持つ血液細胞が増殖する「クローン性造血」が、固形腫瘍患者で高頻度に認められることが明らかとなった。本研究では、変異型ASXL1ノックインマウスをクローン性造血のモデルマウスとして活用し、ASXL1変異を持つ血液細胞が固形腫瘍の増殖に及ぼす影響を検証した。その結果、T細胞特異的に変異型ASXL1を発現させたマウス内で、固形腫瘍の増殖が亢進することが判明した。これらの結果は、クローン性造血原因遺伝子ASXL1のT細胞における変異が、腫瘍免疫反応を変化させることで固形腫瘍の発症・進展を促進している可能性を示唆している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
全身を流れる血液細胞の異常は万病の基となり、様々な疾患発症や老化の原因となる。近年のゲノム解析により、特定の遺伝子変異を持つ異常な血液細胞がクローン性に増殖する「クローン性造血」が、健康な高齢者の血液中にしばしば認められることがわかってきた。そして本研究により、クローン性造血原因遺伝子ASXL1の変異を持つ血液細胞が、固形腫瘍の発症・進展を促進していることが明らかとなった。この成果は、今後の血液細胞を標的としたがん予防やがん治療の開発に大いに貢献すると考えられる。
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