研究課題/領域番号 |
19K22567
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分50:腫瘍学およびその関連分野
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
中島 淳 横浜市立大学, 医学研究科, 教授 (30326037)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2020年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2019年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 大腸がん / がん転移 / 口腔内細菌 / Fusobacterium |
研究開始時の研究の概要 |
Fusobacterium(FB)は口腔内常在菌であるが近年大腸がん患者のがん局所に多量に存在することで注目を集めている。我々は、大腸がんの3次元培養であるオルガノイド培養細胞にFBを添加したところ、驚いたことに培養液中でFBがオルガノイドに向かって猛烈な勢いで遊走し接着し、その後空洞形成をした球形のオルガノイドが桑実様にシュリンクすることを偶然見出した。この発見はFBの接着は大腸がんを基底膜による足場依存性の極性を持った増殖から浸潤・転移に導くEMTを惹起させているのではないかという仮説を立てるに至った。本仮説の証明をケモタクティスチャンバーやEMT関連分子生物学的検討にて行う。
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研究成果の概要 |
Fusobacterium(FB)は近年大腸がん患者のがん局所に多量に存在することで注目を集めている。我々は、大腸がんの3次元培養であるオルガノイド培養細胞にFBを添加したところ細胞極性の喪失したことを見出した。この変化は大腸がんを基底膜による足場依存性の極性を持った増殖から浸潤・転移に導くEMT(Epithelial-Mesenchymal Transition /or Transformation,上皮間葉転換)を起こしていることを遺伝子レベル及び病理学的解析で実証することができた。また大腸がんを用いたマウスがん転移モデルではFBを加えることでがんの転移が促進された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
大腸がんの転移に細菌が関与するということはピロリ菌の発見のようなこれまでの常識を覆す画期的な研究となる可能性を秘めている。FBと大腸がんに関してはこれまで多くの論文では接着して増殖を促進して発がん過程の促進をするといった知見であったが、我々の仮説はFBはがんの転移にかかわる役割をしている点で既存の概念を変えるものであり極めて重要である
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