研究課題/領域番号 |
19K22576
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分50:腫瘍学およびその関連分野
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研究機関 | 愛知県がんセンター(研究所) |
研究代表者 |
小根山 千歳 愛知県がんセンター(研究所), 腫瘍制御学分野, 分野長 (90373208)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2020年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2019年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
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キーワード | がん関連遺伝子 / 3'UTR / 発現制御機構 / Rictor / 化合物 / 遺伝子発現 / 発現制御 / 低分子化合物 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、がん関連遺伝子の3’UTRを介した新たな発現制御機構の解明である。 応募者はがん関連遺伝子の3'UTRを介した制御機構が、低分子化合物によって選択的に抑制できることを発見した。 本提案では、化合物の作用機序解明を通じ、特定の遺伝子発現をその転写後に制御する未知のメカニズムを明らかにすることを目指す。さらに、3'UTRを介した制御を標的とした低分子化合物探索の有用性を検証する。
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研究成果の概要 |
本研究の目的は、がん関連遺伝子の3’UTRを介した新たな発現制御機構の解明である。これまでの研究により、がん細胞の生存・運動に重要なRictor遺伝子の発現を3'UTRを介して抑制する低分子化合物を見出した。そこで化合物の標的蛋白質候補の同定を行うため、分子プローブ法に加え、独自に開発した”プロテアーゼ感受性の変化を利用した標的同定法”によって、スプライシング・転写・翻訳制御に関わることが知られている3つの蛋白質を同定した。詳細な解析から、1つのRNA結合蛋白質が化合物の標的蛋白質であることが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究内容にあるmiRNAの作用を低分子化合物により代替するというアイデアは極めて斬新なものである。元来miRNAは遺伝子の主に3'UTRを介し核酸配列の相補性に基づいて作用するため、核酸医薬を用いずに低分子を用いて代替できるとは考えられていなかった。しかし、私は3’UTRを標的とするスクリーニングに挑戦し、Rictor遺伝子の発現調節過程を低分子化合物によって制御することに成功した。本研究によってその分子基盤解明に挑戦することは、特定の遺伝子発現を3’UTRを介して制御する新しい原理の発見につながる点で、これまでの遺伝子発現制御機構の研究及び対がん創薬研究を大きく変革させる潜在性を有する。
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