研究課題/領域番号 |
19K22577
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分51:ブレインサイエンスおよびその関連分野
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
谷本 拓 東北大学, 生命科学研究科, 教授 (70714955)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2020年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2019年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | ショウジョウバエ / 時間条件付け / 条件付け / 神経情報処理 |
研究開始時の研究の概要 |
時間の認知は最も重要な脳機能の一つである。しかし時間を「受容」する仕組みは明確でなく、その機構を理解することは脳科学の大きな課題である。本研究は、自由行動下のショウジョウバエにおいて、秒単位の時間認知を行動学的に解析し、それを制御する神経回路の理解を目指す。具体的には、電気ショック刺激の周期に同期した条件反射を定量する実験・解析系を構築し、時間条件付けのモデルを確立する。そして、課題遂行中の標的神経細胞の機能を操作することにより、計時機能を制御する神経化学基盤を明らかにする。このシンプルなモデル回路で得られた知見は、複雑な脳での作業仮説の検証に貢献し、時間認知機構の「縮図」として機能する。
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研究成果の概要 |
本研究ではショウジョウバエを用いて、電気ショックによる時間条件付けの実験系を確立し、秒単位の時間知覚(計時)について行動学的に解析した。その結果、ショウジョウバエが数秒間隔の時間を正確に計測し、その時間周期性に応じて逃避行動を示すことを明らかにした。こうした計時機能は脊椎動物と無脊椎動物で共通していることから、秒単位の「リズム感」は進化の早い段階で獲得した生物の機能であることが示唆される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
秒単位の時間間隔の情報や同調は、動物の行動を最適化させるための重要な手がかりとなる。秒単位の時間知覚については、無脊椎動物ではこれまでほとんど報告がなかった。本研究成果は、無脊椎モデル動物であるショウジョウバエに秒単位の時間条件付けを適応した初めての例である。今後は本研究で開発した実験系に遺伝子操作技術を組み合わせることで、時間知覚に関わる神経回路を高い解像度で明らかにすることが期待される。
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