研究課題/領域番号 |
19K22580
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分51:ブレインサイエンスおよびその関連分野
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
河原 行郎 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (80542563)
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研究分担者 |
加藤 有己 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (10511280)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2020年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2019年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 遺伝子発現 / RNAラベリング / マウス / 中枢神経 / RNA / TU tagging / 神経細胞 / 神経変性疾患 / 疾患モデルマウス |
研究開始時の研究の概要 |
神経変性疾患では、特定の神経細胞選択的な変性が認められる。このため、病態解明には、個々の神経細胞の特徴をRNA発現プロファイルの観点から明らかにすることが重要である。そこで本研究では、特定の神経細胞に発現するRNAを高精度に回収するため、RNAラベルを可能にするTU-tagging法とcrosslinking and immunoprecipitation (CLIP法)を組み合わせ、tuCLIP法と命名した新たな手法を開発し、神経細胞毎の高精度RNA発現プロファイルマップが作製可能であることを実証することを目指す。
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研究成果の概要 |
神経変性疾患では特定の神経細胞選択的な変性が認められるが、その理由は依然として不明であり、病態解明の障壁となっている。これには、個々の神経細胞の特徴をRNA発現プロファイルの観点から明らかにすることが重要である。本研究では、特定の神経細胞に発現するRNAを高精度に回収するためのラベリング手法を新たに開発することに挑戦した。小脳プルキンエ細胞を標的にラベリングの条件やRNA回収方法を種々検討した結果、マーカー遺伝子の存在は確認できた。しかし、現状ではノイズが高く、一層の改善が必要である。今後は、シーケンス手法や情報解析を工夫して、更に精度の高い手法を確立することを継続して進めていきたい。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年、単一細胞や単一核の遺伝子発現を網羅的に解析できるようになった。その一方で、分離せずに生体内の特定の細胞だけの遺伝子発現情報を得ることは依然として困難である。また、神経細胞については軸索やシナプスに分布するRNAの情報を得ることはできない。本手法が実現されれば、それぞれの細胞種の遺伝子発現プロファイルを特徴付けることができる。また、疾患モデルマウスに適用すれば、パーキンソン病やALS発症の鍵を握る遺伝子を同定できる可能性もある。その結果として治療法の確立へと繋がることも期待できることから、高い意義をもった内容だと考える。
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