研究課題/領域番号 |
19K22583
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分51:ブレインサイエンスおよびその関連分野
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
小原 圭吾 関西医科大学, 医学部, 講師 (60740917)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2020年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2019年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 海馬 / CA2 / 多様性 / 集団性 / 神経細胞 / 軸索 / 遺伝子組み換えマウス / 新CA2領域 / 神経活動 / 神経回路 / シナプス / 海馬新CA2領域 / GCaMP / 興奮性神経細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
海馬新CA2は、海馬において最も近年になり出現した領域である(Kohara et al. Nat. Neurosci 2014)。そのため、海馬新CA2領域における興奮性神経細胞の多様性や集団性について、その全貌はまだ明らかになっていない。本研究において、自由行動下の海馬新CA2領域でin vivo神経活動イメージングを用いて、興奮性神経細胞の発火特性における多様性解析を行い、興奮性神経細胞の多様性の解明や集団的活動の探索を行う。
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研究実績の概要 |
海馬新CA2は、海馬において最も近年になり出現した領域である(Kohara et al. Nat. Neurosci 2014)。本研究の第一の目的は、海馬新CA2領域においてin vivo神経活動イメージングにより興奮性神経細胞の発火特性における多様性解析を行い、その後、機能実験データと解剖学実験データ、形態実験データを総合的にあわせて、「新CA2領域内の新たな細胞」を同定、定義することである。第二の目的は、海馬新CA2領域において、機能面と解剖学的面から集団性を探索して、これまでに明らかにされていなかった「CA2領域内の新たな細胞集団」を見出すことである。 コロナウイルスの蔓延等の影響により、第一の目的に用いる微小内視蛍光顕微鏡イメージングの実験担当者が研究実施することが困難になった事情があったことから、その状況に柔軟に対処し、第二の目的に焦点を絞って重点的に推進し発展させた。反発分離性遺伝子導入技術「BATTLE」を用いて、新CA2領域における多様性、集団性の兆候の探索的な解析を行なった。また、新CA2領域の神経細胞に強く発現するペリニューロナルネット(糖鎖とタンパク質の複合体からなる細胞外マトリックス)に関しても、多様性、集団性の兆候の探索的な解析を行なった。さらに、前年度に引き続き、新CA2領域特異的Creノックインマウス、Cre依存的AAVを用いることによって、CA2からCA2への神経回路の特徴的で非均一的な投射(未発表)における多様性、集団性の解析を行ない予備的な実験データが得られた。 さらに新CA2領域の多様性、集団性を解明するための新技術の開発を行い、「BATTLE」技術を発展させた遺伝子組換えマウスの開発を継続させた。この新技術が開発された後には、海馬新CA2領域の多様性の解明が大きく進展することが期待される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の第一の目的は、新CA2領域においてin vivo神経活動イメージングにより興奮性神経細胞の発火特性における多様性解析を行い、その後、機能実験データと解剖学実験データ、形態実験データを総合的にあわせて、「新CA2領域内の新たな細胞」を同定、定義することである。第二の目的は、新CA2領域において、機能面と解剖学的面から集団性を探索して、これまでに明らかにされていなかった「CA2領域内の新たな細胞集団」を見出すことである。 令和4年度においては、反発分離性遺伝子導入技術「BATTLE」を用いて、海馬新CA2領域における多様性、集団性の兆候の探索的な解析が行われた。また、海馬新CA2領域の神経細胞に強く発現し、その細胞外領域に存在するペリニューロナルネット(糖鎖とタンパク質の複合体からなる細胞外マトリックス)に注目して、海馬新CA2領域における多様性、集団性の兆候の探索的な解析が行われた。さらに、前年度に引き続き、海馬新CA2領域特異的Creノックインマウス(MAP3K15-Cre)、Cre依存的AAVを用いることによって、CA2からCA2への神経回路の特徴的で非均一的な投射パターン(未発表)における多様性、集団性の解析が行われ、予備的な実験データが得られた。またCA2の新定義やCA2とCA3の投射パターンの違いを総合的に解説したレビュー論文(Shinohara,Y and Kohara,K, Hippocampus 2023)が出版された。 さらに海馬新CA2領域の多様性、集団性を解明するための新技術の開発を行い、「BATTLE」技術を活用しさらに発展させた遺伝子組み換えマウスの作製を行ない、その開発を継続させた。この新技術が開発された後には、海馬新CA2領域の多様性の解明が大きく進展することが期待される。これらのことから、総合的に見て、おおむね順調に進展しているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
本研究課題において、予想外に捉えられたCA2からCA2への神経回路の特徴的で非均一的な投射(未発表)について引き続き解析を行う予定である。また海馬新CA2領域に特徴的に強く発現するペリニューロナルネットについても引き続き解析を行う予定である。これらの解析によって、これまで明らかになっていないCA2の多様性、集団性について探索を継続していく予定である。さらに、「BATTLE」技術や「BATTLE」技術を活用した新たな遺伝子組み換えマウス等を総合的に海馬新CA2神経細胞に適用することによって、既存技術の技術的障壁を乗り越えて、海馬新CA2領域の多様性と集団性の解明を行なっていく予定である。
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