研究課題/領域番号 |
19K22586
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分52:内科学一般およびその関連分野
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
安井 博宣 北海道大学, 獣医学研究院, 准教授 (10570228)
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研究分担者 |
稲波 修 北海道大学, 獣医学研究院, 教授 (10193559)
東川 桂 北海道大学, アイソトープ総合センター, 助教 (10756878)
孫 略 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 研究員 (40757704)
久下 裕司 北海道大学, アイソトープ総合センター, 教授 (70321958)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2020年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2019年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
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キーワード | 細胞老化 / 放射線 / がん治療 / 腫瘍 / イメージング / Id-1 / 質量分析イメージング / プロテオーム |
研究開始時の研究の概要 |
がん細胞に対して老化させることは治療戦略として有望であるが、老化関連分泌現象と呼ばれる老化細胞からのサイトカインや増殖因子の放出によって、周囲の環境ががん進展に適した状態になるという相反する作用がある。従って、事前に対象となるがんの治療感受性や、治療開始後の早期の応答を予測することが必要不可欠である。本研究では、メタボローム解析を行って、老化誘導治療の早期予測因子となるような特徴的変化を明らかにする。さらに質量分析イメージング法により、これら因子のがん組織における局在を明らかにし、老化誘導治療の事前効果予測を可能とする“メタボロームインフォマティクス老化誘導がん治療”の概念を確立する。
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研究成果の概要 |
無限増殖能を有するがん細胞に対して、永続的に細胞周期を停止させる、すなわち老化させることは有効な治療戦略と考えられる。本研究では細胞老化を標的とした新規治療法を開発しそれを診断できる手法を樹立することを目的とした。まず老化誘導因子として知られるId-1の発現抑制と放射線との併用によって、in vitroおよびin vivoにおいて、ヒト由来がん細胞およびマウス由来がん細胞に効率的に老化を誘導できることを明らかにした。このモデルにおいて質量分析解析が老化誘導の程度を判定することはできなかったが、老化を検出できる手法として18F-FLTのPETイメージングが有効である可能性を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究において得られた成果は、放射線と薬剤により無限増殖能を有するがん細胞に細胞老化を引き起こすことで抗腫瘍効果を高めることができ、これまでになかった治療法の開発に道筋をつけたことである。また細胞老化と深く関連する代謝に着目したイメージング手法によって老化細胞の検出が一部可能となったことは、老化誘導治療の実用化に向けた大きな前進であったと考えられる。
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