研究課題/領域番号 |
19K22592
|
研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分52:内科学一般およびその関連分野
|
研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
杉江 淳 新潟大学, 脳研究所, 准教授 (50777000)
|
研究分担者 |
鈴木 マリ 公益財団法人東京都医学総合研究所, 運動・感覚システム研究分野, 主任研究員 (20455405)
永井 義隆 大阪大学, 医学系研究科, 寄附講座教授 (60335354)
|
研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2020年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
|
キーワード | 伝播 / ショウジョウバエ / シヌクレイノパチー / 凝集 / αシヌクレイン |
研究開始時の研究の概要 |
パーキンソン病やレビー小体型認知症など進行性の神経変性疾患は年齢依存的に罹患率が増加する。病態が進行する可能性の1つとして、疾患原因タンパク質αシヌクレインの異常構造転換・凝集により伝播性を獲得し、脳内で拡がる。しかし、現時点ではin vivoで伝播の病態を模すことができ、かつ伝播に寄与している未知分子をゲノムワイドに探索できるモデルが存在しない。本研究によって、in vivoにおいてスピーディーな遺伝子解析に定評があるショウジョウバエモデルを用いて初めて、凝集性のαシヌクレインを起因とする伝播に関与する未知分子を網羅的に同定する。
|
研究成果の概要 |
パーキンソン病やレビー小体型認知症など進行性の神経変性疾患は年齢依存的に罹患率が増加する。病態が進行する可能性の1つとして、疾患原因タンパク質αシヌクレインの異常構造転換・凝集により伝播性を獲得し、神経細胞間の繋ぎ目の役割を果たすシナプスを介して脳内で拡がるという仮説が提唱されている。本研究で私たちは、細胞間伝播に関わる分子として、オートファジーのイニシエーションに必要なAtg1を同定した。そして、Atg1の機能喪失したシナプス前神経細胞に、シナプス後神経細胞由来のαシヌクレインが取り込まれていることを明らかにした。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究によって、in vivoにおいてスピーディーな遺伝子解析に定評があるショウジョウバエモデルを用いて初めて、凝集性のαシヌクレインを起因とする伝播に関与する未知分子を同定した。この成果から、伝播の作用機序の包括的な理解につながる基盤が整う。また、本研究に使われる伝播モデルをプロトタイプとし、伝播の可能性が示唆されているアルツハイマー病やハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症など様々な神経変性疾患の病態の進行についても同様のモデルを作製し、脳内伝播を阻止する網羅的な遺伝学的・薬剤スクリーニングに応用できる。
|