研究課題/領域番号 |
19K22599
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分52:内科学一般およびその関連分野
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
立川 正憲 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(薬学域), 教授 (00401810)
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研究分担者 |
斉藤 貴志 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (90360552)
吉良 潤一 国際医療福祉大学, 福岡薬学部, 教授 (40183305)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 血液くも膜関門 / 排出輸送 / 細胞外小胞 / 輸送 / 脳脊髄液 / 神経変性疾患 |
研究開始時の研究の概要 |
アルツハイマー病やパーキンソン病などの神経変性疾患では、神経毒性物質が、長い年月をかけて徐々に脳内に蓄積することで、神経障害をもたらすことが知られている。本研究では、「血液-くも膜関門(Blood-Arachnoid Barrier, BAB)が、脳内からの神経毒性物質や老廃物の能動的なくみ出しを担い、中枢解毒装置として機能する。」を実証し、BABの排出輸送機能と神経変性疾患との因果関係解明を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究は、仮説「血液くも膜関門が、神経毒性物質に対する脳脊髄液からのクリアランス輸送システムを備え、中枢解毒装置として機能する」を実証することを目指した。本研究を通して、パーキンソン病において脳内に蓄積する病原性タンパク質α-シヌクレインの脳脊髄液からの消失過程には、くも膜における受容体を介した排出機構が関与している可能性が提示された。血液くも膜関門における病原性タンパク質を内包する細胞内小胞、タンパク質、ペプチド及び低分子代謝物に対する多様な排出輸送系の同定に向けて、質量分析による網羅的分析系及び絶対定量系を構築した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来、くも膜は脳や脊髄を物理的に保護するための単なる支持被膜であるとの考えが通説であった。これに対し本研究は、「中枢環境を規定し、中枢解毒装置として機能する、動的インターフェースとしての血液くも膜関門輸送系の役割」という新たな概念を構築し、血液くも膜関門の機能破綻と中枢神経病態との関連性解明に迫るものであり、中枢病態の解明や治療法の開発へ突破口を開く潜在性を有している点において、学術的意義だけでなく社会的意義を有する。
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