研究課題/領域番号 |
19K22600
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分52:内科学一般およびその関連分野
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
西田 教行 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 教授 (40333520)
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研究分担者 |
石橋 大輔 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 准教授 (10432973)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2019年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
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キーワード | プリオン病 / 液相分離 / アミロイド / プリオン / 神経疾患 |
研究開始時の研究の概要 |
ヒトプリオン病の大半は孤発性で、正常型プリオン蛋白が感染性アミロイドのプリオンに構造変換することで発症する。プリオンを振盪する事で人工アミロイドを作成できるが、生理学的活性である感染性を失う。これを解決するために、タンパク質の液相分離に着目した。この現象はタンパク質が生理学的活性を持ったまま液相として振舞う現象である。液相分離を介してアミロイドを形成することにより、生理学的活性の感染性をもったアミロイドが作成可能ではないかと考えた。液相分離から感染性アミロイドの作成を目指し、自然発生型の孤発性プリオン病の謎を解く。
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研究成果の概要 |
プリオン病の病原体、プリオンは異常型プリオンタンパク(PrPSc)を主体とする。どのようなきっかけで最初のPrPScが体内に生成されるか不明である。我々はデキストランとポリエチレングリコールを同時に使用することで、プリオンタンパク(PrP)を試験管内で液ー液相分離させ、アミロイドゲル(rPrPゲル)を形成させることに成功した。このrPrPゲルはプロテアーゼK抵抗性であることや、チオフラビンTと結合するなど、PrPScと似た性質を示した。試験管内での構造変換促進(シード活性)や動物への感染性は示さなかったものの、液ー液相分離がPrPSc出現の最初のステップとなる可能性が示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
プリオン病の原因である異常型プリオンタンパクは、正常型プリオンタンパクの構造が異常化したものとされている。しかし、どのように異常化するのかは明らかになっていない。近年では様々なタンパク質が液相分離によって性質が変化し、凝集することが知られている。今回の研究では、プリオンタンパク(PrP)の液相分離を試験管内で再現することに成功した。また、このPrPは不溶性で凝集体を形成するなど、異常型プリオンタンパクと似た性質を有していた。これらの結果から、異常型プリオンタンパク形成には液相分離が関与していることが示唆され、プリオン病発症のメカニズムの一旦が明らかにされた。
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