研究課題
挑戦的研究(萌芽)
心不全、心臓突然死の疾患研究は心筋細胞を中心に行われてきたが、我々は心臓マクロファージが心臓に対して保護的に働いていることを明らかにした。本研究では、さらに心臓マクロファージを含みミエロイド系細胞が心臓病発症にどのようにかかわっているかを、1細胞遺伝子発現解析、1細胞エピゲノム解析等を用いて解析し、新しい治療標的を同定する。具体的には、心臓を保護する新規細胞の同定、その細胞が分泌するタンパクの同定、さらに疾患研究として、その新保護的細胞がどのように機能低下に陥るかについて検討する。
心臓には機能が複数あり、それらの機能に対する心臓の中の免疫細胞の機能はよくわかっていない。本研究では、心臓内の免疫細胞の新しい保護的作用を同定した。さらに、その保護的な機能がどのように機能不全に陥って、心疾患を発症するかを検討した。今回、心臓の免疫細胞が心臓の収縮に対する保護作用に加えて、心臓の正常なリズムを形成するために必須であることを見出した。さらに、心臓のマクロファージは、炎症性マクロファージになると心臓を保護する作用を発揮できないが、その炎症を収束させる新しい機序を発見した。
心不全・心臓突然死といった心疾患は、高齢者に多く、高齢化社会の進む本邦において、増加傾向となっており、医療費の増大を生じ社会的な問題にもなっている。そのため、心不全や心臓突然死に対する解決策を開発することは喫緊の課題である。本研究では心臓内の免疫細胞に着目して、心疾患の新しい機序を解明し、新規治療法の基盤を構築する。このような研究は、健康寿命の延伸や医療費の削減に資する
すべて 2022 2021 2020
すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 産業財産権 (1件) (うち外国 1件)
Nat Commun.
巻: 12(1) 号: 1 ページ: 1910-1910
10.1038/s41467-021-22178-0
Proceedings of the National Academy of Sciences
巻: 117 号: 25 ページ: 14365-14375
10.1073/pnas.2005924117