研究課題
挑戦的研究(萌芽)
本研究では、エクソソームという細胞から分泌される小胞状物質を利用して難治性肝硬変症の治療に挑戦する。エクソソームは我々の体内で作られる天然の物質であるため、毒性がなく、癌化することもない安全な成分である。このため、内部に薬剤を含ませて病気の臓器に届ける新たな手段として期待されている。本研究では、どのようにして目的とする臓器の細胞だけに取り込ませるか、取り込まれた薬剤の効果をいかに最大限発揮させるかについて、独自の方法を駆使して取り組む。
本研究は、エクソソームを利用した薬物送達の新たな方法論を提案することを目的とした。はじめに、ルシフェラーゼあるいはmCherry/EGFPをエクソソーム内包タンパク質として培養液中に分泌する発現プラスミドを構築し、モニタリング用エクソソームとして用いた。これらのエクソソームを、炭酸アパタイトナノ粒子を用いて修飾することで、エクソソームの細胞内取り込みとエンドソームからサイトゾルへの移行が促進した。また、肝細胞膜上のアシアロ糖蛋白質受容体が認識するガラクトース鎖を用いてエクソソームを修飾すると、肝細胞への取り込み効率が向上することをin vitroならびにin vivoの系で明らかにした。
近年、タンパク質医薬品や核酸医薬品等のバイオ医薬品の開発が進んでおり、これら生体高分子の送達手段(DDS)として期待されている素材のひとつとしてエクソソームが挙げられる。しかしながら、DDSキャリアとしてのエクソソームの利用には、エクソソーム自身の細胞内取り込み効率の低さ、エクソソーム内包物質のサイトゾルへの低脱出性による効果の減弱、標的細胞以外への送達による副作用の発現といったいくつかの問題点が挙げられる。本研究成果により、エクソソームの取り込み効率やサイトゾル脱出性の改善、ならびに肝細胞指向性の向上が得られ、新規DDSキャリアとしての開発に繋がることが期待される。
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