研究課題/領域番号 |
19K22631
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分53:器官システム内科学およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
藤原 裕展 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, チームリーダー (20615744)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2020年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2019年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
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キーワード | 細胞外マトリックス / 基底膜 / ダイナミクス / ライブイメージング / 皮膚発生 / 皮膚 / 発生 / 形態形成 / 器官発生 / 哺乳類 |
研究開始時の研究の概要 |
器官形成を達成するには、細胞動態や組織の変形に応じて、周囲の細胞外マトリックス (ECM) もダイナミックにリモデリングされる必要がある。近年、細胞集団の動態の理解は進んだが、ECMのダイナミクスやその制御メカニズムは殆ど明らかにされておらず、未開拓のままである。その理由は、細胞外に分泌される巨大ECM分子の動態を、3次元組織環境下で長時間ライブイメージングする手法が確立されていないからである。本研究では、マウス器官の発生・再生過程における基底膜の動態やターンオーバーを4次元的に観察できる実験系を構築し、細胞動態とECMの協調的な動的関係性とそれを支える分子メカニズムを明らかにする。
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研究成果の概要 |
近年、ECMの物理的性質(ダイナミクスや弾性等)の重要性が示されつつあるが、哺乳類生組織内で基底膜ダイナミクスを可視化できるツールの開発が進んでおらず、その実態や重要性は不明である。本研究課題では、基底膜の動態が可視化できるノックインマウスを作製し、基底膜ダイナミクスの4Dイメージングが可能なシステムを確立した。さらにFRAP法等を用い、基底膜の移動、伸長、ターンオーバーの定量解析も可能にした。薬剤で基底膜動態を阻害すると、皮膚上皮の細胞運命と組織形態に異常が生じることも明らかにした。今後は、本システムを用いて、基底膜ダイナミクスの皮膚発生、恒常性、疾患などへの関与を明らかにしていく。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
基底膜遺伝子の異常は、皮膚を含む多くの臓器の先天性疾患や疾病の原因となるが、基底膜が働くメカニズムの理解は不十分である。本研究では、基底膜が「動く」「伸びる」「曲がる」といったダイナミックな特性の変化を細胞挙動とともに可視化できるマウスとイメージングシステムを確立した。これを用いることで、皮膚の発生、創傷治癒、がんの浸潤転移などの際の基底膜ダイナミクスとその役割の理解が飛躍的に進むと期待される。
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