研究課題/領域番号 |
19K22642
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分54:生体情報内科学およびその関連分野
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
宮塚 健 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (60622363)
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研究分担者 |
綿田 裕孝 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60343480)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2019年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
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キーワード | 糖尿病 / β細胞 / sick β cells / β-cell heterogeneity / オートファジー不全 / 膵β細胞 / β細胞不全 / spatial heterogeneity / sick beta cells / db/dbマウス / インスリン分泌不全 / heterogeneity |
研究開始時の研究の概要 |
全ての糖尿病患者は膵β細胞からのインスリン分泌不全を合併しており、その病態解明は糖尿病の新規治療標的の同定に不可欠である。糖尿病患者の膵島では病期の進行とともに遺伝子発現プロファイルが変化していくことが知られているが、「β細胞がいつ、どのような時間経過でインスリン分泌不全へと至るのか?」「病んだβ細胞は正常なβ細胞機能を回復することはできるのか?」といった根源的な疑問は未解明のままである。本研究ではβ細胞が不全状態に至る過程を高時間分解能で可視化するレポーターマウスを作製しながら、病んだβ細胞の個性を時間軸に沿って1細胞レベルで明らかにする。
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研究成果の概要 |
肥満糖尿病マウス(db/db)の膵島で発現が亢進し、SGLT2阻害薬投与による高血糖是正後に発現レベルが低下する遺伝子SB1(sick beta 1)を同定した。8週齢のdb/dbマウス膵切片を用いて組織学的検討を行った結果、一部のβ細胞にのみSB1が高発現しており、SB1遺伝子発現のspatial heterogeneityが確認された。 SB1遺伝子プロモーターの制御下にCre recombinaseを発現するSB1-Creマウスを用いてSB1発現細胞のlineage tracing解析を行った。成体マウス膵島の一部がSB1細胞系譜に属することが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
糖尿病患者では経年的にβ細胞機能が低下することが古くから知られていたが、全てのβ細胞がhomogenousに不全状態に陥るのか、β細胞不全の程度にheterogeneityがあるのかについては未解明であった。 本研究において糖尿病マウスにおいて発現が亢進する遺伝子SB1を同定し、heterogenousな発現プロファイルを解明したことは、β細胞不全の病態を解析する際に、膵島全体ではなく、1細胞レベルで解析することの重要性を示唆している。今後糖尿病患者膵島におけるSB1遺伝子の発現プロファイルを解析することにより、ヒト膵島におけるβ細胞不全の進展過程を時空間的に捉えなおすことができるであろう。
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