研究課題/領域番号 |
19K22643
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分54:生体情報内科学およびその関連分野
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
柴田 茂 帝京大学, 医学部, 教授 (60508068)
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研究分担者 |
岡崎 具樹 帝京大学, 医学部, 教授 (60203973)
藤垣 嘉秀 帝京大学, 医学部, 教授 (20283351)
石澤 健一 帝京大学, 医学部, 講師 (10772684)
諏佐 崇生 帝京大学, 医学部, 助教 (20445852)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
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キーワード | ミネラルコルチコイド受容体 / pendrin / 食塩感受性 / ビタミンD受容体 / 翻訳後修飾 / ステロイド受容体 / リガンド / 局所制御 |
研究開始時の研究の概要 |
核内受容体はリガンド依存性転写因子であり、リガンドと核内受容体との結合はシグナル活性化の分子スイッチとみなすことができる。申請者らはこれまでの研究で、ステロイド受容体であるミネラロコルチコイド受容体(MR)の新たな調節機構として、リガンド結合領域のリン酸化がリガンド結合能を制御するという新たなメカニズムを報告した。また、キナーゼ・ライブラリーを用いたスクリーニングアッセイにて、ULKがMRのリン酸化を担う可能性を明らかにしている。本研究では、MRリン酸化の意義および制御メカニズムについて詳細に解析し、核内受容体調節における意義を解明することを目指す。
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研究成果の概要 |
核内受容体は多面的な働きを有しており、その作用は状況依存的に調節されている。この研究では体液量と組成の維持に中心的な役割を果たすMRの作用の解明を目指し研究を行った。基礎的検討からCl/HCO3交換輸送体pendrinがMRの働きを修飾することが明らかとなっており、尿検体を用いてpendrinの臨床的意義を検討した結果、二次性高血圧である原発性アルドステロン症の病態にpendrinが関与することが明らかになった。また腎尿細管に高発現するビタミンD受容体が25D3によっても活性化されうること、MR調節と類似の機構が他のステロイド受容体でも存在する可能性なども明らかとなりつつある。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ミネラルコルチコイド受容体(MR)は腎臓において食塩の再吸収とカリウム排泄のバランスを調節しており、体液のイオン組成や食事の変化に対応して尿細管の働きを柔軟に変化させている。これまでの基礎的・臨床的検討から、Cl/HOC3交換輸送体pendrinの変化がMRの電解質調節作用のスイッチングに関わるキーイベントの一つであることが示されており、食生活習慣と健康の密接な関わり、なかでも食塩による血圧上昇 (食塩感受性高血圧) やカリウム摂取による心血管保護作用の分子基盤が明らかとなってきている。またMRと同様に腎尿細管に高発現するビタミンD受容体の活性化機構について新知見が得られている。
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