研究課題/領域番号 |
19K22644
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分54:生体情報内科学およびその関連分野
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研究機関 | 国立感染症研究所 |
研究代表者 |
中尾 龍馬 国立感染症研究所, 細菌第一部, 主任研究官 (10370959)
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研究分担者 |
泉福 英信 国立感染症研究所, 細菌第一部, 室長 (20250186)
平山 悟 新潟大学, 医歯学系, 助教 (70778555)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2020年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2019年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 外膜小胞 / ワクチン / 細菌由来膜小胞 / ワクチンの安全性評価 / ナノ粒子ワクチン |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、効果・安全性・利便性を兼ね備えたデザインフリーのナノ粒子ワクチンの開発に挑戦する。まず、粘膜免疫原性を有する口腔細菌の外膜小胞(OMV)をナノ粒子ワクチン担体として活用する。特に、高速原子間力顕微鏡を用いたOMV産生のナノイメージングや、細菌外膜のin silicoモデルによる動力学シミュレーション等の最新技術を駆使して、OMV産生機構の全容解明を目指す。さらに、外来性抗原が多数配列したOMVナノ粒子を得た後、各種動物モデルにより、免疫原性・ワクチン効果・安全性について検証する。以上、新概念に基づいた本ワクチンストラテジーは、感染症制圧の有効な手段となる可能性を秘めている。
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研究成果の概要 |
細菌由来外膜小胞 (OMVs) を用いた新しいワクチンプラットフォームの創出を視野に、OMVsの産生機構の解明、及び動物モデルにおけるOMVsの安全性とワクチン効果の検討を行った。まず、口腔細菌のOMVs産生機序に関しては、抗菌物質により誘導されたOMVs 産生が殺菌プロセスに寄与する可能性が示唆された。また、大腸菌のOMVs産生に関与する小遺伝子kilが同定され、その他にも、培養液中にグリシンを添加して低毒性OMVsを大量に生産する技術が確立された。さらに、異なる二つの歯周病原細菌由来OMVsの混合経鼻ワクチンの中枢神経系での安全性とワクチン効果 (細菌の排除効果) が確認された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で得られたOMVs産生機構の理解に基づき、OMVsワクチンの生産効率に寄与する技術の開発応用が期待される。また実際に、マウスモデルでの歯周病原細菌由来OMVs経鼻ワクチンの効果と安全性が明らかにされた。今後は、歯周病のみならず、様々な感染症に対するワクチン開発研究においても、OMVsが利用できる可能性が示された。
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