研究課題/領域番号 |
19K22649
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分55:恒常性維持器官の外科学およびその関連分野
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
菅野 恵美 東北大学, 医学系研究科, 准教授 (10431595)
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研究分担者 |
丹野 寛大 東北大学, 医学系研究科, 助教 (10755664)
館 正弘 東北大学, 医学系研究科, 教授 (50312004)
高木 尚之 東北大学, 医学系研究科, 助教 (30569471)
笠松 純 東北大学, 医学系研究科, 講師 (60567345)
佐藤 光 東北大学, 医学系研究科, 助教 (20832124)
丸山 良子 東北大学, 医学系研究科, 名誉教授 (10275498)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2020年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2019年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | NKT細胞 / 創傷治癒 / 肝臓 / IFN-γ / 慢性創傷 / 糖尿病 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、臓器間連携が次々と明らかにされている。長年、皮膚に発生した創傷(キズ)は、皮膚に集まった白血球や線維芽細胞が治すと考えられてきたが、我々は「肝臓がキズを治す」と推測する。 肝臓がキズを治すと考えた理由は2つある。①過去の研究から、皮膚が傷つくと肝臓の白血球が増える現象の発見、②肝硬変患者の治り難いキズが、肝臓移植後に劇的に改善した報告。さらに糖尿病患者のキズは治り難いが、「皮膚-肝臓-膵臓間の連携」の破綻が糖尿病患者の治癒を妨げる最大の要因ではないかと考える。 そこで本研究では、肝臓がキズを治すかどうかを解明し、肝臓活性化による新規治療法に繋げることを目的とする。
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研究成果の概要 |
近年、神経系・液性因子を介した臓器間クロストーク機構が次々と明らかにされている。 長年、皮膚の創傷(キズ)は、皮膚に存在する線維芽細胞や受傷後、創部に遊走する免疫細胞が治すと考えられてきたが、申請者は「皮膚-肝臓間クロストークによる創傷治癒の制御 」を推測し、皮膚創傷治癒への肝臓の関与について明らかにすることを目的としている。 我々の解析により、肝臓に豊富に存在するiNKT細胞は皮膚創傷では集積した白血球の0.1%未満であるが、iNKT細胞が産生する代表的なサイトカインであるIFN-γが好中球の過剰な活性化、MMP-2産生を制御し、治癒促進に寄与することが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
長年、皮膚に生じる創傷(キズ)は皮膚に存在する線維芽細胞や受傷後創部に遊走する免疫細胞が治すと考えられてきたが、肝臓をはじめとする全身の臓器の関与については不明であった。 本研究成果により、肝臓の直接的な関与は解明できなかったが、肝臓に豊富に存在するNKT細胞が主に産生するサイトカインであるインターフェロンγが、創部の好中球性炎症反応、MMP-2産生を制御し、慢性化に関わっていることが明らかになった。今後、MMP-2阻害による新規の慢性創傷治療法の開発に向けての基礎的データを得ることができ、社会的意義は非常に高い。
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