研究課題/領域番号 |
19K22651
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分55:恒常性維持器官の外科学およびその関連分野
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
若井 俊文 新潟大学, 医歯学系, 教授 (50372470)
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研究分担者 |
奥田 修二郎 新潟大学, 医歯学系, 教授 (00512310)
坂田 純 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (70447605)
島田 能史 新潟大学, 医歯学系, 講師 (20706460)
永橋 昌幸 新潟大学, 医歯学総合研究科, 客員研究員 (30743918)
市川 寛 新潟大学, 医歯学系, 助教 (50721875)
廣瀬 雄己 新潟大学, 医歯学総合病院, 特任助教 (10737365)
油座 築 新潟大学, 医歯学総合病院, レジデント (00745565)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | ヒト共生細菌叢 / 癌遺伝子異常 / 消化器 / 伝播経路 / 薬物療法 / バイオマーカー / 細菌叢 / 体液 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、「癌遺伝子変異データ、細菌叢ゲノムデータを高次元解析し、癌と関連 する細菌叢バイオマーカー及び薬物療法における治療効果の予測が可能となる細菌叢バイ オマーカー同定すること」である。本研究は、癌における遺伝子異常と癌に共生する細菌(叢)とを同時にゲノム解析することにより、細菌叢と宿主(ヒト)の癌遺伝子異常との相互作用を究明できる。本宿主(ヒト)における癌の病態や薬物療法の効果を医学的により深く理解するうえでヒト共生細菌叢という新たな視点からアプローチできる。
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研究成果の概要 |
腫瘍組織と非腫瘍組織を抽出し16SrRNA遺伝子の塩基配列を決定した。腫瘍組織と非腫瘍組織に濃縮された細菌が確認された。腫瘍組織内に共存する細菌は宿主細胞内に変異した遺伝子シグナル経路が存在すると濃縮されることが示された。Campylobacterが多く存在する患者は二本鎖DNA切断修復の失敗を示す変異シグネチャー3との関連が示唆された。大腸癌発症には、細菌感染によって放出される物質によるDNA損傷が一因である可能性が示唆された。腸内細菌叢の異なるパターンと宿主特異的な遺伝子変化が明らかになれば、抗がん剤や免疫療法に加えて、マイクロバイオームを調節するなどの標的治療が可能になる可能性がある。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
大腸癌に多く存在することが知られているFusobacteriumをはじめとするいくつかの細菌は、非腫瘍組織と比較して腫瘍組織との共生が豊かであることがわかった。腫瘍組織内に共存する微生物群は宿主細胞の遺伝子の変化やシグナル伝達経路の異常がある場合にエンリッチされることが示された。これらの結果から、大腸癌発症は微生物叢の細菌が放出する物質によるDNA損傷やシグナル伝達経路の異常が原因の一つである可能性が示唆されました。腸内細菌叢の明確なパターンとその特異的な遺伝子変異を特定することで、抗がん剤や免疫療法に加えてマイクロバイオームを調節するなど、標的を絞った介入が可能になるかもしれないと考えます。
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