研究課題/領域番号 |
19K22661
|
研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分55:恒常性維持器官の外科学およびその関連分野
|
研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
清木 誠 山口大学, 大学院医学系研究科, 教授 (50226619)
|
研究分担者 |
永野 浩昭 山口大学, 大学院医学系研究科, 教授 (10294050)
白井 睦訓 山口大学, 大学院医学系研究科, 教授 (20196596)
硲 彰一 山口大学, 医学部, 教授(寄附講座等) (50253159)
柴田 健輔 山口大学, 大学院医学系研究科, 講師 (50529972)
|
研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2021-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
|
配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2020年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2019年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
|
キーワード | リンパ節 / 免疫チェックポイント療法 / がん免疫 / YAP / 力学特性 / オルガノイド |
研究開始時の研究の概要 |
がん免疫治療は劇的な効果も見られるが、多くの症例で効果が限定的である。それは、がん免疫成立の場が十分に考慮されていないことも一因である。私たちは場の“力学的”制御が機能を持った3次元臓器構築に必須であることを世界に先駆けて見出し、YAP-メカノホメオスターシスと名付けた (Porazinski et al., Nature 2015) 。そこで本研究では、免疫成立の場の力学的制御を可能にするリンパ節オルガノイドを創出する。人工的に創るリンパ節に新機能を持たせ、逆に新しい免疫制御メカニズムを発見するSynthetic biologyの アプローチをとる点でも挑戦的研究の意義がある。
|
研究成果の概要 |
がん免疫成立の場としてリンパ節は、中心的な役割を担う。私たちが見出したYAPメカノホメオスターシスによる場の力学的制御の視点から、がん免疫を賦活できるリンパ節オルガノイドを創出するために、(1)リンパ節の場、すなわち細胞外マトリクスの力学特性を測定する方法を樹立し、(2)リンパ節では、細胞外基質を産生するfibroblastic reticular cellでYAPが活性化していることを明らかにした。現在、(3)血管を導入するために、あらかじめ人工血管を導入した組織工学の技術を導入して、リンパ節オルがノイドの作成を進めている。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
免疫チェックポイント療法の限定的な効果は、がん免疫成立の場が十分に考慮されていないことが一因である。リンパ節はがん転移により腫脹・硬化し力学特性が変化し、免疫機能が低下する。私たちが見出した転写供役因子YAPによる場の力学制御機構(Polazinski et al., Nature 2015)の観点から、リンパ節の力学特性を制御による、がん免疫機能賦活化療法開発の着想を得た。本研究による、生体での力学特性測定、その力学特性によるYAP活性化と力学場制御機構の同定、人工血管導入技術を用いたリンパ節オルガノイド作製基盤樹立は、学術的・社会的意義が高いと考える。
|