研究課題/領域番号 |
19K22664
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分55:恒常性維持器官の外科学およびその関連分野
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
大内田 研宙 九州大学, 大学病院, 講師 (20452708)
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研究分担者 |
藤田 逸人 九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (40611281)
森山 大樹 九州大学, 大学病院, 准教授 (70586859)
永吉 絹子 九州大学, 大学病院, 助教 (90761015)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2020年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2019年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 消化器癌 / 胃癌 / 食道癌 / シングルセル解析 / 腫瘍微小環境 / heterogeneity / 微小環境 / シングルセル発現解析 |
研究開始時の研究の概要 |
消化器癌は腫瘍微小環境内・間にheterogeneityといわれる高度な不均一性をもっており、癌の浸潤や転移に深く関わる細胞集団を癌細胞・間質細胞として含んでいる。これらの解明およびその制御により究極の個別化医療を確立することができると考えるが、このためには機能別に細胞集団を分取することが必要であると考えた。本研究では、手術切除標本を用いたDrop-seq技術によるシングルセル解析を行うことで、遺伝子網羅的発現解析により従来の分類とは一線を画したこれまでにない機能的な細胞集団の分類を構築し、特に癌の悪性度に関わる細胞集団を同定、分取することを目的とする。
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研究成果の概要 |
本研究は、消化器癌におけるheterogeneityをDrop-seq技術を用いたシングルセル解析により解明するために開始された。胃癌・食道癌を対象に、正常部・腫瘍部・所属リンパ節のシングルセルRNAライブラリを約20例ずつ作成し解析したところ、“疲弊した”Tリンパ球は腫瘍部で多く検出され、癌化に伴うTリンパ球の機能低下を認めた。形質細胞は腫瘍部に多く、抗体産生能が亢進していることが示唆された。さらに胃癌と食道癌では、胃癌で活性化Bリンパ球への分化がより促進していることが考えられた。以上のように消化器癌における免疫環境のheterogeneityを詳細に解析することができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は革新的な技術であるDrop-seqを基盤としたシングルセル解析を用いることで、これまで詳細が不明であった消化器癌の腫瘍微小環境内の不均一性を解明することを目的とした。従来のBulkでのRNA-seqでの解析では評価できなかった各細胞の不均一性をシングルセル解析では詳細に解析することが可能であった。特に免疫細胞に関しての単一細胞レベルの機能的評価が可能となり、発癌過程の解明や、免疫チェックポイントを中心とした新たな治療法の確立につながると考えられる。
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