研究課題/領域番号 |
19K22665
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分55:恒常性維持器官の外科学およびその関連分野
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
久米 努 熊本大学, 生命資源研究・支援センター, 客員教授 (60786474)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | リンパ管 / VEGF-C / 小腸虚血再灌流障害モデル / 虚血性腸疾患 / リンパ管内凝固 / リンパ管新生 / Fox転写因子 / ゲノムワイド解析 / 遺伝子改変モデルマウス |
研究開始時の研究の概要 |
小腸は胃に繋がる消化器官で、水分と栄養素のほとんどは、小腸によって吸収される。小腸の内面に輪状に走るヒダがあり、その粘膜の表面にある腸絨毛が消化と吸収を司る。その絨毛の中心部にある一本の細いリンパ管(中心乳び管)は、小腸上皮細胞で構成された中性脂肪、コレステロール、リン脂質からなるカイロミクロン(リポ蛋白質)を吸収して血流に戻す役割を持つことも知られているが、その吸収作用以外の、小腸粘膜構造維持に関するリンパ管の機能については全く不明である。そこで本研究では、小腸リンパ管の基本原理の統合的解明を基に、その小腸恒常性維持が破綻した虚血性腸疾患の新しい治療法の開発に繋げることを計画した。
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研究成果の概要 |
リンパ管新生の分子基盤を解明する目的で、FOXC 転写因子の下流で作用すると考えられる RASGAP ファミリー、RASAL3, RASA4 の内皮特異的なコンデショナルノックアウトマウスの樹立に成功した。また、リンパ管の炎症において血管内皮で認められる凝固系が関与するのか検証するため、vWF の発現制御をマウスレベル及び培養内皮にて定量的に計測したところ、恐らくエピゲノム変化を介し、厳密な血管系での vWF 発現が培養環境下では変化することが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
血管やリンパ管内皮細胞は存在する微小環境、即ち存在する組織での異種細胞間での相互作用やサイトカイン、血流やリンパ流、酸素分圧の影響を受けて、主にエピゲノムレベルでの可逆的あるいは不可逆的な制御下、その微小環境に即した遺伝子発現やそれに伴う内皮細胞の構造変化を行うことが想定されている。今回 vWF を基に、in vivo と培養細胞での違いが顕著に示されたことで、この微小環境を考慮してリンパ管の解析を進める重要性とエピゲノムレベルでの今後の研究展開の重要性が明らかとなった。
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