研究課題/領域番号 |
19K22678
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分56:生体機能および感覚に関する外科学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
藤井 知行 東京大学, 医学部附属病院, 届出研究員 (40209010)
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研究分担者 |
永松 健 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (60463858)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2020年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2019年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 妊娠 / ドラッグデリバリーシステム / 胎盤 / トロンボモジュリン / トロンボモデュリン / 妊娠高血圧症候群 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、トロンボモデュリン(TM)のPEG化により胎盤集積性を高めTM以外の治療薬剤も結合できる薬剤キャリアを作成し、胎盤を標的臓器としたドラッグデリバリーシステムの確立を目的とする。そして、PEG化TMキャリアによる妊娠高血圧腎症(preeclampsia:PE)の新たな治療戦略の構築を目指す。本研究が目指すPEG化TMキャリアにより胎盤機能自体を改善するという発想はPEの根本原因を見据えた治療的アプローチである。
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研究成果の概要 |
本研究は、生理的蛋白質トロンボモジュリン(TM)に着目して、ポリエチレングリコール化(PEG化)により、種々の薬剤の結合が可能なPEG-TMキャリアを作成して、胎盤を標的臓器とした薬剤送達法の確立を目指した。種々のPEG-TMライブラリーから、胎児移行がなく胎盤集積性が高い構造として、PEGフレームに7のTM分子を結合したキャリアを同定した。妊娠高血圧腎症マウスモデルに対してこのPEG-TMを投与したところ、TM単独投与と比較して少量の投与で症状改善を確認した。このPEG-TMは、TMによる胎盤機能の向上と同時にPEG化による胎盤集積性による胎盤への効果を増強させることが期待できる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
先行研究においてトロンボモジュリン(TM)はその血管保護作用、抗炎症作用により胎盤機能保護作用を発揮することが推定されていた。本研究では、そのTMのPEG化フレームによりTM同志の分子密度を高めることで胎児移行性がなく胎盤集積性が上昇するという知見をえた。PEG化TMに薬剤を搭載させて投与する場合に、より少量で胎盤集約的にその効果を発揮させることが可能となると推測された。胎盤機能障害を背景に生じる様々な周産期疾患の薬剤開発において、本研究により見出された技術は幅広い応用が期待できる。
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