研究課題/領域番号 |
19K22688
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分56:生体機能および感覚に関する外科学およびその関連分野
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
杉野 法広 山口大学, 大学院医学系研究科, 教授 (10263782)
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研究分担者 |
浅井 義之 山口大学, 大学院医学系研究科, 教授 (00415639)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
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キーワード | 子宮内膜症 / 卵巣チョコレート嚢胞 / 遺伝子ネットワーク / バイオインフォマティクス / ブーリアンネットワーク / マスター遺伝子 / HOXC8 / TGF-β / マスターレギュレータ遺伝子 / TGF-beta / Smad経路 / Rho-ROCK経路 / 数理モデル / 人工知能 |
研究開始時の研究の概要 |
近年のシステムバイオロジーの概念から、子宮内膜症の病態をマスター遺伝子の異常による遺伝子ネットワークの異常として捉えることができる。本研究では、公表されている遺伝子相互作用ネットワークと申請者が有する正常子宮内膜と子宮内膜症の遺伝子発現データを組み込んだ遺伝子制御ネットワークの数理モデルを作成することで、正常状態から疾患(子宮内膜症)を引き起こすマスター遺伝子の組み合せを人工知能を用いたシミュレーションにより同定し、また逆に、疾患から正常状態にネットワークを遷移させる遺伝子群をシミュレーションで同定することによって治療標的となるマスター遺伝子群を同定する。
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研究成果の概要 |
卵巣チョコレート嚢胞の発症と病因に関与する上流制御因子であるマスター遺伝子を同定した。 卵巣チョコレート嚢胞の間質細胞および正所性の子宮内膜間質細胞のtranscriptomeデータと、公的データベースから入手した遺伝子発現制御ネットワークデータを用いた解析(SMITE法)から12候補遺伝子を抽出した後、Boolean network simulationを行いマスター遺伝子としての妥当性を確認した。この中のHOXC8については、同遺伝子を過剰発現する細胞株を樹立して、実際に細胞増殖、癒着、線維化、TGFβシグナル経路の活性化などの卵巣チョコレート嚢胞の特徴を誘導できることを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
子宮内膜症(卵巣チョコレート嚢胞)の発症において鍵となるマスター遺伝子を同定することができ、将来的にそれらを標的とした分子標的治療の開発に役立つ可能性がある。また、バイオインフォマティクスと数理モデルを用いた本研究の研究手法は、疾患における複雑な発現制御ネットワークを明らかにする上で、今後、更に重要となる研究手法である。
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