研究課題/領域番号 |
19K22695
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分56:生体機能および感覚に関する外科学およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
藥師寺 那由他 国立研究開発法人理化学研究所, 生命医科学研究センター, 研究員 (70565316)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2020年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2019年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | エピジェネティクス / 四肢形成 / 合指症 / CtBP / ポリコム複合体 / CtBP1/2 / クロマチン制御 / CUT&Tag / クロマチン高次構造 |
研究開始時の研究の概要 |
合指症は生まれつき隣り合った指が癒合した状態であり、少なくとも9つのタイプに分類される先天性四肢障害である。遺伝子のミスセンス突然変異やDNA配列の重複が発症原因として報告されているものもあるが、多くのタイプではその原因は不明のままである。本計画ではクロマチン因子の一つであるポリコム複合体とその共役因子であるCTBPに着目し、合指症発症の分子機構をエピジェネティクス制御機構の破綻の観点から明らかにすることを目指す。
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研究成果の概要 |
CtBP1/2はポリコム複合体のコリプレッサーとして作用することが知られているが、四肢形成における機能についてはほとんど不明である。CtBP1/2欠損型マウスが合指症に似た表現型を示したことから、本研究課題では合指症発症の分子機構をCtBP1/2 およびポリコム複合体によるエピジェネティクス制御の観点から解明することを目指した。その結果、CtBP1/2が失われると、肢芽先端部では遺伝子の発現が上昇する傾向にあること、四肢で作用するエンハンサー領域と遺伝子のプロモーター領域におけるH3K27acとポリコム複合体の結合レベルがそれぞれ上昇することを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
合指症は生まれつき隣り合った指が癒合した状態であり、外科手術による治療が一般的である。遺伝子のミスセンス突然変異や、DNA配列の重複が発症原因として報告されているものもあるが、多くのタイプではその原因は不明のままである。また、クロマチン抑制因子であるポリコム複合体と、そのコリプレッサーとして作用するCtBP1/2が四肢疾患の発症原因として報告された事例もない。したがって、本研究成果は合指症の発症機序を明らかにするだけでなく、エピゲノムをターゲットとした新しい出生前診断・治療法開発への貢献が大いに期待されるものである。
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