研究課題/領域番号 |
19K22704
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分57:口腔科学およびその関連分野
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
野杁 由一郎 新潟大学, 医歯学系, 教授 (50218286)
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研究分担者 |
大墨 竜也 新潟大学, 医歯学系, 助教 (30759725)
竹中 彰治 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (50313549)
三室 仁美 大阪大学, 微生物病研究所, 准教授 (80396887)
寺井 崇二 新潟大学, 医歯学系, 教授 (00332809)
横山 純二 新潟大学, 医歯学総合病院, 准教授 (70422615)
佐藤 裕樹 新潟大学, 医歯学系, 助教 (50644556)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2019年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
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キーワード | ピロリ菌 / nested PCR / 胃がん / 口腔バイオフィルム / 感染機序 / Nested PCR / Helicobacter pylori / デンタルバイオフィルム / 感染メカニズム / ヘリコバクターピロリ / オーラルバイオフィルム / 胃 |
研究開始時の研究の概要 |
ピロリ菌除菌後の再発率は,除菌後3年で非除菌群の1/3まで抑制されたが,日本人のピロリ菌感染者は6000万人にのぼり,厚労省調査では6%の自治体が独自にピロリ菌検査を導入しているのが実状である。そこで、本研究では胃がんを病巣感染として捉え,ピロリ菌除菌者および非感染者の①オーラル/デンタルバイオフィルム(OB/DB)等からピロリ菌の分離/同定法を確立する,他方で②ピロリ菌の感染メカニズム/感染様式の解明,③口腔持続感染を制御する病原因子の探索に挑むこととした。さらにピロリ菌感染(含:再感染)による胃がん予防対策として,口腔ピロリ菌の簡易・迅速検出法を確立することを長期の目標としている。
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研究成果の概要 |
口腔におけるピロリ菌 の検出割合は明らかでない。本研究では、Nested PCR法を用いて、口腔バイオフィルム等からのH. pylori の検出を試みた。本研究で用いたNested PCR法は、口腔ピロリ菌を高感度に検出可能であった。続いて、胃ピロリ菌罹患患者(胃がん患者)の胃組織と口腔試料にNested PCR法を実施したところ、ピロリ菌DNAは100%検出可能であった。胃ピロリ陽性者の76%は、口腔内からもピロリ菌DNAが検出された。ピロリ菌が口腔内で生きて存在していた場合、口腔が胃の持続感染のリザーバーとして機能する可能性が強く示唆された。その相同性の確認は、期間内には実施できなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
日本ヘリコバクターピロリ学会は,除菌で胃がんのリスクが34%程度(1/3)に低下するとの見解を示したが、除菌療法の成功率は,1次除菌,2次除菌併せて60-80%程度で頭打ち状態である。本研究の成果はこの日本の現状の打開策に留まらない。研究成果の波及を想定する規模としては,WHOが予測する2050年の世界の医療フィールドである。本研究構想は“胃がん予防戦略”と不適切な抗菌剤使用に伴う“耐性菌被害”(現在,クラリスロマイシン耐性ピロリ菌の出現が問題視),すなわち年間約1兆円の社会的・経済的損失と約1000万人の人命を救う挑戦の一翼を担う芽生え期の研究成果である。
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