研究課題/領域番号 |
19K22708
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分57:口腔科学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
波多 賢二 大阪大学, 歯学研究科, 准教授 (80444496)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2020年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2019年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 軟骨細胞 / クロマチン構造 / ヒストン修飾 / Sox9 / エピジェネティクス / 軟骨細胞分化 / 骨格形成 |
研究開始時の研究の概要 |
顎顔面を含むヒトの骨格の大部分は、内軟骨性骨化と呼ばれる軟骨細胞が主体の骨化様式により形成される。そのため、骨格形成およびその疾患メカニズムの解明には、軟骨細胞の遺伝子発現を担う転写因子を同定しその制御機構を理解することが重要となる。本研究では、次世代シークエンサーを応用したゲノムワイド解析を駆使し、遺伝子発現の初期段階であるヒストン修飾からmRNA発現に至る階層的な統合オミクス解析を実施し、内軟骨性骨化に重要な新規転写因子とその遺伝子制御ネットワークを全ゲノムレベルで解明することに挑戦する。
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研究成果の概要 |
内軟骨性骨形成による骨格形成においては軟骨細胞が重要な役割を演じている。近年のゲノム解析技術の進歩に伴い、ヒストン修飾やクロマチン構造をはじめとする様々な転写制御システムの解明が進んでいるが、軟骨細胞においては未だ解明が進んでいない。本研究では、転写因子がアクセスしやすいオープンクロマチン領域の同定を可能にするATAC-seq、さらには転写活性化領域を示すChIP-seqを行い、その統合解析から軟骨細胞分化に重要なエンハンサー領域と、軟骨細胞の遺伝子発現を制御する転写因子の同定に成功した。本研究結果は、骨格形成における遺伝子発現を制御する転写ネットワークシステムの解明に貢献すると期待できる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究ではゲノム構造解析と遺伝子発現解析を統合的に行うことにより、DNAの塩基配列の変化ではなく、クロマチン構造の変化→ヒストン修飾→mRNA発現という階層的な遺伝子発現システムを体系的かつ網羅的にゲノムスケールで解明することが可能となった。生命計測技術の進歩と情報解析技術の進歩に伴って、様々な研究領域でゲノムワイド解析が応用され生命現象や疾患関連遺伝子の解明に貢献している。次世代シークエンサーを用いたゲノムワイド解析は今後の生命科学研究にとってますますその重要性を増すことが予測され、骨・軟骨研究における本研究の学術的意義は高い。
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