研究課題/領域番号 |
19K22734
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分58:社会医学、看護学およびその関連分野
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研究機関 | 福島県立医科大学 (2022) 東北大学 (2019-2021) |
研究代表者 |
佐藤 冨美子 福島県立医科大学, 看護学部, 教授 (40297388)
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研究分担者 |
井上 彰 東北大学, 医学系研究科, 教授 (70361087)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | がん免疫療法看護 / がん患者 / 看護の質評価 / 質評価開発 / 質評価 / 指標開発 |
研究開始時の研究の概要 |
がん免疫療法は第3期がん対策推進基本計画において重点的に取り組むべき治療に位置づけられている。これにより、がん免疫療法は重要ながん治療法として社会に認知され、治療効果に関する研究開発の進行と並行して、がん免疫療法を受ける患者が今後さらに増加すると予測される。しかし、免疫チェックポイント阻害薬のオブジーボに対し、肺がんへの適応拡大が承認されたのは2015年末で臨床適用の歴史が浅く、患者の治療選択やがん免疫療法を受ける患者の安全性に考慮した支援の確立までには至っていない。本研究は、がん免疫療法を経験した患者および医療専門職者の体験をもとに、がん免疫療法看護の質評価指標の開発に挑む。
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研究実績の概要 |
本研究は、他のがん治療と比較して看護経験が少ないがん免疫療法看護の質評価指標開発に向けた探索的研究であり、面接調査(Phase1)で質評価指標原案を作成し、専門職者(phase2)およびがん看護スペシャリスト(Phase3)によって質評価指標原案の内容妥当性を検討し、段階的に指標を精選させていくことを目的とした。 本年度は、(phase2)で検討し、修正した質評価指標の6構成要素、67項目の構成要素・項目間の関連と内容および表現の妥当性、重要性、実行可能性を質問紙調査によって検討したPhase3の成果について、日本看護科学学会で発表した。 成果は、がん免疫療法看護の質評価指標が【がん免疫療法を受ける意思決定プロセスに添う支援】【がん免疫療法の安全性を確保するために行う支援】【がん免疫療法を継続するための支援】【多様なirAEに対応できるセルフケア能力を獲得する支援】【治療の長期化に伴う心理的社会的苦悩を緩和する支援】【医療者とのパートナーシップを育む支援】の6構成要素、17の上位項目、67項目で構成され、全67項目が妥当性、重要性、実行可能性の採用基準0.78以上のI-CVIを確保した。また、6構成要素、17上位項目の妥当性(0.93~1.00)、重要性(0.94~1.00)、実行可能性(0.92~1.00)の採用基準0.90以上のS-CVI/Aveを確保した。がん免疫療法看護の質表指標全67項目のS-CVI/Aveは、妥当性0.98、重要性0.99、実行可能性0.95であったと報告した。がん看護スペシャリストを対象とした本調査では全ての採用基準を満たした。開発した質評価指標は今後がん免疫療法看護実践の視点になると結論づけた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2021年度が本研究課題の最終年度であり、質評価指標原案の妥当性、重要性、実行可能性に関する質問紙調査は計画通り終了したが、補助事業の目的をより精緻に達成するために論文投稿、交流集会などの実装化を目的とした研究の実施を要する。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度までの研究成果を論文投稿する。また、第38回日本がん看護学会学術集会において、がん免疫療法看護の質評価指標の実装化に向け、その開発過程と成果を交流集会で報告する。
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