研究課題/領域番号 |
19K22735
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分58:社会医学、看護学およびその関連分野
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
渡邉 高志 東北大学, 医工学研究科, 教授 (90250696)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 転倒予測 / 慣性センサ / ニューラルネットワーク / クラスタリング / 歩隔 / 睡眠 / 転倒 / 予測 / 生体情報 |
研究開始時の研究の概要 |
療法士や看護師らは,患者の様子から転倒発生の兆候を経験的にとらえることができる場合があることから,本研究では,転倒発生後の検出や転倒しやすさのリスク評価ではなく,転倒発生の兆候をとらえる技術の開発を目的とする.まず,ニューラルネットワークの学習を利用し,運動学的情報から健常者歩行との違いや個人の歩行の変動を自動的に検出することで,転倒発生の兆候を推定する方法の開発を行う.次に,自律神経系が関わる生体情報や睡眠情報を転倒発生の兆候の推定に利用することの有効性を検討する.これらのことから転倒発生の兆候をとらえる技術の実現可能性を検討し,その基盤技術の構築を目指す.
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研究成果の概要 |
歩容変化により転倒発生の兆候をとらえることを着想し,ニューラルネットワークで歩容変化を検出する方法を開発し,教師無し学習による歩行パターン分類の実現可能性,歩容変化の要因の分類可能性を示す結果を得た.また,転倒リスク評価には複数の指標を使用する必要があることを確認し,転倒に関わる歩容変化の要因の指標算出のため,慣性センサを利用し,歩行立脚初期の足部異常運動の検出・評価法,ストライド長と歩行速度の自動推定法,歩行事象タイミングの自動検出法,歩行時のバランス評価のための身体重心位置推定法の構築を行った.さらに,健常者で総睡眠時間とふらつき感との間に相関がみられ,総睡眠時間の利用可能性を確認した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
転倒に関する多くの研究は,転倒が発生した結果の検出や,転倒しやすいタイプかどうかの判定にとどまっており,工学的技術を利用した転倒発生の兆候の検出の研究はほとんど行われていない.本研究は,看護師らの経験に基づく転倒の兆候の検出を工学的技術により実現することを目指して,運動情報と内面的状態に関係する生体情報や睡眠情報の利用可能性を検討し,簡便な慣性センサでの歩行計測で,転倒に関わる未知の歩容変化検出とその要因を分類する方法の実現可能性,睡眠情報の利用可能性を示す結果を得た.これらの結果は,転倒発生の兆候を検出する技術につながる点で学術的意義があり,転倒予防の実現の観点で社会的意義がある.
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