研究課題/領域番号 |
19K22738
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分58:社会医学、看護学およびその関連分野
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
清水 栄司 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (00292699)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
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キーワード | 身体症状症 / 認知行動療法 / 段階的ケア / オンライン / 医学的に説明できない身体症 / 緊張型頭痛 / 医療経済 / 費用対効果 / 心身症 |
研究開始時の研究の概要 |
医学的に説明できない身体症状(MUPS)は、人口の5%から7%とされ、欧米では長期の頻回な診療による医療経済的コストが通常の2倍に至る等の研究がなされ、ガイドラインも作成されている。各専門医にフリーアクセスできる日本の診療体制では、MUPSは注目されてこなかった。本研究は、WEB上の自記式質問紙PHQ-15によりスクリーニングで、MUPSを有する者とMUPSを有しない者の登録システムを立ち上げ、重症度、受診行動、医療費等に関するデータの比較収集を行う。また、MUPSに対し、対照群に比べて、Web上でセルフヘルプ認知行動療法を行う介入群の有効性をパイロット・ランダム化比較試験により、検証する。
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研究成果の概要 |
医学的に説明できない身体症状(MUPS)、身体症状症への本邦での段階的ケア体制の開発のため、倫理審査承認後、同意を得た一般成人へのWEBアンケート調査で、身体症状症の人が、うつ不安症状、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症の発達特性を抱え、長期の頻回の医療を受けていることが示された。軽症な場合のWEBセルフヘルプ介入として、慢性緊張型頭痛を有する勤労者へのランダム化比較試験を行い、群間差はないが、6週間の前後比較でWEB認知行動療法あるいは心理教育による症状改善が示された。また、身体症状症が重症な場合に、ビデオ会議システムでのオンライン認知行動療法の研究デザインに基づいた適用可能性を検討した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
オランダのMUPS(身体症状症)のガイドラインでは、第一の低リスクの患者に再保証、第二のうつ病や不安症を合併する中等度リスクの患者に精神科連携下でのプライマリケア医の治療、第三の医師患者関係が安定しない高リスクの患者には精神科医から認知行動療法や薬物療法が提供される。日本でも、身体症状症の患者が診断されないまま、長期の頻回の医療を受けていることが明らかで、質問紙でのスクリーニングを行い、うつ、不安、発達特性の合併も検討し、低強度の介入で、WEB上での簡便なセルフヘルプの心理教育や認知行動療法を提供し、高強度の介入で、オンラインで認知行動療法を提供する段階的ケアの可能性が示されたことは意義深い。
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