研究課題/領域番号 |
19K22743
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分58:社会医学、看護学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
木内 貴弘 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (10260481)
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研究分担者 |
奥原 剛 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (70770030)
石川 ひろの 帝京大学, 公私立大学の部局等, 教授 (40384846)
高山 智子 国立研究開発法人国立がん研究センター, がん対策情報センター, 部長 (20362957)
加藤 美生 帝京大学, 公私立大学の部局等, 助教 (70769984)
上野 治香 帝京平成大学, 健康メディカル学部, 講師 (40740668)
小池 宏子 (岡田宏子) 東京大学, 医学部附属病院, 特任助教 (30849352)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 医療コミュニケーション学 / ヘルスコミュニケーション / ヘルスコミュニケーション学 / 説得的コミュニケーション |
研究開始時の研究の概要 |
栄養補助食品や特定保健用食品等の健康食品の市場規模は拡大を続けている。広告は、消費者の購入行動のみならず、価値観および生活行動にまで影響を及ぼす。健康食品が示唆するダイエット、疲労回復、運動機能の改善等の達成には、健康食品の利用のみならず、バランスのとれた食生活や、適度な身体活 動・運動等の適正な生活習慣の実行が重要である。 にもかかわらず、健康食品の広告は不都合な事実には触れず、理想化された一面的なメッセージを提示している。また、人々は適正な生活習慣の実行よりも、健康食品を摂取するだけという手軽な問題解決を選択する傾向がある。本研究は、健康食品の広告が人々の認知や行動に与える影響を検討する。
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研究成果の概要 |
日本の「脂肪」への効果を訴求する健康食品の動画広告の内容分析を実施した。その結果、「免罪符型」と名付けられる広告が、分析対象の広告の約25%を占め最も多いことが分かった。「免罪符型」の広告は、「健康食品を摂取すれば、不健康な行動をしてもよい、健康行動をしなくてよい」という誤った認識を視聴者にもたらす可能性がある。そこで、「脂肪」への効果を訴求する健康食品の「免罪符型」動画広告が、視聴者の認識に与える影響を評価するランダム化比較研究を実施した。その結果、「免罪符型」の健康食品の動画広告は、「健康食品を摂取すれば、不健康な行動をしてもよい、健康行動をしなくてよい」という誤った認識を高めた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
健康食品の広告が視聴者の認識に与える影響を公衆衛生の観点で初めて明らかにした。健康食品を、不健康な行動をとるための免罪符かのように描く「免罪符型」の動画広告は、特定の文言で「健康食品を摂取すれば、不健康な行動をしてもよい、健康行動をしなくてよい」と訴求しているわけではない。しかし、動画広告内のストーリーや登場人物の表情などを通じ、「健康食品を摂取すれば、不健康な行動をしてもよい、健康行動をしなくてよい」という誤った認識を高めることが示された。「免罪符型」の広告が日常的に不健康行動を誘発しているなら、不健康行動による害の方が大きいだろう。健康食品の動画広告の内容を改善する重要性が示唆された。
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