研究課題/領域番号 |
19K22744
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分58:社会医学、看護学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
峰松 健夫 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 特任准教授 (00398752)
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研究分担者 |
真田 弘美 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 教授 (50143920)
玉井 奈緒 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 特任准教授 (80636788)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 褥瘡 / ATP / DAMPs / スキンブロッティング / 反応性充血 / 紅斑 / 紫斑 / 看護技術 / 皮膚保護材 |
研究開始時の研究の概要 |
地域包括ケアシステムの実現には在宅看護ケアの飛躍的な効率化が急務である。褥瘡予防ケアの飛躍的効率化を目指し、褥瘡に至る前の軽微な組織損傷に対する細胞・組織反応(褥瘡前駆反応)をその場で同定できる皮膚保護材の開発を目指す。ターゲットは障害を受けた細胞から逸脱したATPであり、スキンブロッティングの原理を応用して非侵襲的に皮膚組織から抽出し、ルシフェラーゼ反応を応用してATPを定量的に測定する。本システム開発に向け、下記3ステップの研究を実施する。 ①in vitroにおけるシステム開発 ②褥瘡モデルマウスを用いた有効性の検討 ③褥瘡ハイリスク患者における褥瘡の予測妥当性の検討
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研究成果の概要 |
褥瘡の前駆状態を同定する方法として、ATPを標的としたスキンブロット検査の確立を試みた。 まず、ニトロセルロースおよびナイロンメンブレンを用いてATPのブロッティングへの適用可能性を検証したところ、ナイロンメンブレンで低いバックグランドと高い吸着性を示し、定量的測定が可能な範囲が示された。続いて反応性充血、紅斑、紫斑を呈するモデルマウスにおいて、ナイロンメンブレンを用いたスキンブロッティング法にてATPの検出を試み、本手法が圧迫による皮膚障害を鋭敏かつ定量的に評価できることが示された。これらの結果は、本手法が圧迫による組織損傷を同定し、褥瘡発生予測に応用できる可能性を示唆している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
褥瘡は、ブレーデンスケール等を用いた発生予測に基づいて予防的ケアが提供されるが、その特異度が低く、過剰なケアを行わなければならないことが問題となっている。本成果は、スキンブロッティングによるATP検査が外力による皮膚組織損傷を鋭敏に同定・評価できることを示すものであり、褥瘡予測の特異度を高めることで、医療資源を必要な患者に集中させ、効果的かつ効率的な褥瘡予防の実現に貢献するものと期待される。
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