研究課題/領域番号 |
19K22754
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分58:社会医学、看護学およびその関連分野
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
飯田 礼子 福井大学, 学術研究院医学系部門, 准教授 (40139788)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | ホスホジエステラーゼ / シグナル伝達 / グルコース耐性 / 糖尿病 / DNA損傷 / KOマウス / 老化 / ミトコンドリアDNA |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、従前の成果を老化医学や臨床医学に波及させ、老年性疾患の治療や老化予防などの老化医学に貢献することを目的として実施する。申請者がこれまでに見出した新規遺伝子の機能解析により、この遺伝子の産物「M-LP」は、活性酸素が引き起こす核DNAおよびミトコンドリアDNAの損傷を軽減することが明らかとなった。老化の分子メカニズムは未だ解明されていないが、DNA損傷が老化や疾患の原因の一つであることは広く認められている。M-LPが持つDNA損傷抑制能は、老化の分子機構と密接に関連していると考えられ、老化の分子機構の解明、ミトコンドリア病、神経変性疾患などの治療法の開発へと発展する可能性がある。
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研究成果の概要 |
M-LPは、加齢・老化に伴って発現変化する新規生体分子であり、成長と共に増加し老齢期で減少する。報告者は最近、i) M-LPの発現抑制がcAMPの上昇とPKAの活性化を引き起こしmtDNA損傷の増加させること、また、ii)本分子がcAMP分解活性を有するPDEであることを明らかにした。作製したM-LP-KOマウスでは、膵ランゲルハンス島の過形成が認められ耐糖能が上昇していた。M-LP欠失に伴うこれらの変化は、Wntシグナル伝達経路の主要因子であるβ-カテニンやGSK-3BのPKA依存性のリン酸化により惹起されるものと考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
今回、M-LPが情報伝達物質cAMPを分解する新規ホスホジエステラーゼ(PDE)であることを世界に先駆けて明らかにすることができた。PDEは過去20年以上にわたって多様な疾患に対する医薬品開発の標的となっており、選択的阻害剤の一部はすでにガン、心不全、喘息など、多様な疾患の治療薬として使用されている。M-LPは、その分子構造や細胞内局在などにおいて既知PDEと大きく異なるため、既知PDEと異なった細胞内機能を有する可能性が高い。したがって、新規治療薬としてのM-LPの選択的阻害薬の開発が期待される。
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