研究課題/領域番号 |
19K22755
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分58:社会医学、看護学およびその関連分野
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
猩々 英紀 山梨大学, 大学院総合研究部, 准教授 (60284626)
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研究分担者 |
林 敬人 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (40512497)
葛西 宏威 山梨大学, 大学院総合研究部, 助教 (20324189)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 脳の生活反応 / 中枢神経系リンパ管 / 脳内免疫細胞 / 免疫細胞 / 生活反応 / 中枢神経系免疫システム / リンパ管 |
研究開始時の研究の概要 |
法医学において、生活反応(出血や細胞反応などの生体反応)は損傷が生前に生成したことを示す重要な証拠である。本研究では、中枢神経系免疫反応を介した新たな生活反応のマーカーを創出するために、脳の炎症や消炎などに関わる免疫細胞基盤を明らかにすることを目的とする。そこで、作業仮説として、ヒトの中枢神経系にもリンパ管が存在することを分子組織化学的に証明し、脳脊髄液を介して移動する免疫細胞を特定する。
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研究成果の概要 |
本研究ではヒトの中枢神経系にもリンパ管が存在することを分子組織化学的に証明し、脳内へ移動する免疫細胞を特定することを目的とした。本研究期間中、新型コロナウイルス感染症の影響でヒト試料の採取が非常に困難であった。試料数が限られる中、我々はヒト中枢神経系リンパ管の画像構築を試みた。また、ヒトおよび動物試料において免疫細胞が脳内に移動しており、脳の炎症に寄与していることを示めした。これらの結果は、免疫システムを通して脳内の生活反応を明らかにすることが可能であり、これまで見過ごされてきた生活反応のマーカーを見出すことが期待されることを示唆した。現在、脳の生活反応に関する基盤研究を推進中である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで中枢神経系は免疫特権領域であり、正常な状態ではリンパ球の様な免疫細胞の出入りはないと考えられてきた。しかし、マウスの硬膜静脈洞の内表面にリンパ管が発見され、正常な脳でも免疫細胞が脳とリンパ管を移動している可能性が示唆された。つまり、中枢神経系への免疫細胞の移入は病的条件下でのみ生じていると考えられてきたが、本研究は学術の現状を変革する可能性があり意義深い。一方、法医学ではこれまで見過ごされてきた免疫細胞を指標とした脳の生活反応のマーカーを見出す可能性があり重要である。また、脳の炎症・消炎に関わる免疫細胞基盤の解明は、頭部外傷などの後遺症軽減や治療法の開発において重要であると考えられる。
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