研究課題/領域番号 |
19K22756
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分58:社会医学、看護学およびその関連分野
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
石井 晃 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (30252175)
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研究分担者 |
名取 雄人 名古屋大学, 医学系研究科, 助教 (80610104)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 法医学 / 法医鑑定 / 法医生化学 / ミオグロビン / 質量分析 / ペプチド分析 / プロテオミクス / 死後診断 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究においては、ペプチド質量分析に習熟した研究協力者と共に、最新の質量分析技術を駆使して、熱中症等で上昇する尿中ミオグロビン、頸部圧迫で上昇する可能性がある血液中サイログロブリン、心不全のマーカーである血液中NT-proBNPなどについて、分解したペプチドをターゲットとした同定・定量法を確立する。同時に、死後変動の再検討も行い、死後経過時間の長い死体におけるこれらタンパク及び分解ペプチドマーカーの高感度かつ正確な同定・定量を試みる。最終的には、法医鑑定に資する体液中分解ペプチドマーカーを確立する。
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研究実績の概要 |
本研究では、生体試料における目的タンパクの定量法を開発し、次いで、実検体で切断されているペプチドフラグメントを同定し、法医診断に資するタンパク(ペプチド)マーカーの探索を行うことを目的とする。対象となるタンパクとしては、熱中症で上昇するmyoglobin、心不全で上昇するNT-proBNPが挙げられる。 本年度は、昨年度に引き続き、標準尿サンプル、特に腐敗尿からのmyoglobinの検出条件について検討した。本年度は、解析手法をプロテオーム解析に変更した。 市販の尿試料を37℃のドライオーブンで2週間放置し腐敗させたものと、同一尿を凍結保存したものを使用し、標準品ヒトリコンビナントmyoglobinを新鮮尿および腐敗尿試料に、それぞれ 0、20、50 ng/mLになるよう添加し、以下の実験に供した。各尿試料 250 microLにアセトニトリル1000 microL を加えて voltex後に氷上で10分インキュベートし、その後2000×gで遠心分離し、上清を除去して沈殿を回収した。この沈殿にEasyPep mini MS Sample Prep kit中のLysis bufferを110 micorL添加し溶解し,その内 100 microLをtrypsin 及びLysil-endopeptidase でdigest し、精製後試料についてプロテオーム解析を行った。myoglobinは、新鮮尿、腐敗尿のいずれについても添加していないものでは検出されず、20 及び 50 ng/mL添加したものは、すべてのサンプルで検出された。ただし、シグナル強度は、 20 ng/mLで約 3分の1、 50 ng/mLで約 40分の1に減少した。このことは、腐敗サンプルでmyoglobin が検出されない理由として、夾雑物によるマスク効果が一定の役割を果たしていると推定された。
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