研究課題/領域番号 |
19K22760
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分58:社会医学、看護学およびその関連分野
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研究機関 | 筑波大学 (2022) 神戸大学 (2019-2021) |
研究代表者 |
木澤 義之 筑波大学, 医学医療系, 教授 (80289181)
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研究分担者 |
森田 達也 聖隷クリストファー大学, 看護学研究科, 臨床教授 (70513000)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | アドバンス・ケア・プランニング / 予後予測 / 緩和ケア / ランダム化比較試験 / がん |
研究開始時の研究の概要 |
アドバンス・ケア・プランニング(ACP)は実施されれば効果があることがわかっているが、問題なのは、「ACPを始めるきっかけがない」ことである。医師がACPをはじめるきっかけとして、サプライズクエスチョンをきっかけにして患者にアプローチすることが推奨されているが精度が低い。申請者は、血液検査とバイタルサインという客観的な指標のみを組み合わせた予後予測モデルを開発し、臨床兆候を用いた従来の方法を上回る予測精度が得られることを示した本研究の目的は、医師がACPの話し合いを始めるきっかけとして、客観的指標のみを用いた精度の高い予後予測を提示することが有効かを検証することである。
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研究成果の概要 |
本研究の目的は、客観的指標を用いた精度の高い予後予測の提示が医師のACPの話し合いの意欲を向上させるかをランダム化比較試験で検証することである。現在がん治療を行っている医師を無作為に2群に分け対照群では患者の予後を主観的に伝え、介入群では客観的予後予測(56日の生存確率50%、28日は70%)を伝えた。 223名の医師が参加した。介入群のACP実施に対する意欲は、96.5%が意欲があると回答し、対照群は94.3%だった。代理決定者を決めておくことへの意欲にも両群で有意差は見られなかった。本研究から医師に客観的予後予測を伝えることは医師のACP実施の意欲の向上につながらないことが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の結果からは、精度の高い予後予測を提示することは、ACP実施に対する意欲を変化させないことが示唆される。ACPの実践をすすめる為には、話し合いに対する患者のバリアを下げる努力(例:予め話し合われる内容を開示する)、両者が安全に話し合いができる環境の整備(例:話し合いの意欲がある患者を予め選択しておく)、医師に対する話し合いの方法の教育(コミュニケーションスキルトレーニングなど)が有効な可能性があり、今後これらを用いた研究の実施が必要である。
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