研究課題/領域番号 |
19K22761
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分58:社会医学、看護学およびその関連分野
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
高瀬 泉 山口大学, 大学院医学系研究科, 教授 (30351406)
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研究分担者 |
水谷 誠 山口大学, 大学院医学系研究科, 助教 (10593303)
鯉渕 晴美 自治医科大学, 医学部, 准教授 (20382848)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2020年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 胸腺退縮 / 子ども虐待 / 超音波検査 / 非侵襲的検査 / 児童虐待 / 臨床法医学鑑定 / 乳幼児 / 法医解剖 / 組織学的検索 / 臨床法医学 / 法医学鑑定 / 胸腺 / 非侵襲的検査法 |
研究開始時の研究の概要 |
法医解剖において長期にわたり常習的に虐待された児童の胸腺は退縮していることが指摘されてきた。裁判では、虐待の時期や期間等を問われることがあり、変色斑(皮下出血)等の色調変化を推定根拠とすることが多いが、主観的とも指摘され、現在のところ、医学的に確立した客観的な指標はない。そこで、胸腺機能に影響を及ぼす疾患を有しない未就学児を対象に超音波検査を施行して胸腺の大きさを測定し、その方法を確立しつつデータを蓄積する(対照群)。一方、虐待が疑われる未就学児を対象に、同様に検査をおこない(虐待被疑児童群)、そのデータを比較して、生体鑑定における被虐待児の判別および虐待期間の推定への応用を検討する。
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研究成果の概要 |
胸腺機能に影響を及ぼす疾患を有しない未就学児を対象に超音波検査を施行して胸腺の大きさを測定し、その方法を確立しつつデータを蓄積する(対照群)。一方、虐待が疑われる未就学児を対象に同様に検査を行い(被虐待群)、生体鑑定における被虐待児の判別への応用を検討する。さらに、被虐待群のデータを用いて、他の損傷検査や捜査等の情報から得られた虐待の推定期間との相関関係を検討する。これらを実施するために保育園・市町の健診で胸腺の超音波画像を得る予定であったが、コロナ禍で困難となった。そこで、乳幼児の解剖事例を用いて組織学的検索を行ったところ、異所性胸腺は通常胸腺に比べ未成熟である可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
乳児の窒息の過程に関わり得る異所性胸腺の組織学的特徴を明らかにでき、法医学での死因の鑑定への貢献が期待され、発生学・免疫組織化学・病理学・頭頸部外科学・小児科学への知見の共有で突然死の予防にも寄与し得る。超音波を用いた胸腺の非侵襲的検査法の確立は、虐待鑑定・診断に関わる法医学・小児科学、臨床検査学、さらに犯罪学、法学へ与える影響が大きく、虐待の早期発見・防止という社会的意義からも検討を継続する。
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