研究課題/領域番号 |
19K22776
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分58:社会医学、看護学およびその関連分野
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
田中 篤 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (50458072)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 病理 / 冠動脈 / 急性冠症候群 / イメージング / 光干渉断層法 / 剖検 / プラーク破裂 / コレステロールクリスタル / 法医解剖 / optic biopsy / 冠動脈疾患 |
研究開始時の研究の概要 |
今日の法医学において急増する虚血性心疾患の死後診断は、極めて重要な問題である。しかし剖検率が低い日本では、直接的根拠に基づく死後診断に苦慮している。光干渉断層法(Optical Coherence Tomography: OCT)は、光を用いた高解像度断層法で、血管の狭窄度や病理診断が可能である。本研究の目的は、世界で初めて剖検用OCTを開発し、OCTによる死後病理診断"optic autopsy"の有用性を明らかにする事である。本研究の成果からoptic autopsyの有用性が確認されれば客観的根拠に基づく虚血性心疾患の死後診断が、従来の手法に比較し遥かに小さい死体損壊で行えるようになる。
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研究実績の概要 |
剖検例の低侵襲光学的剖検により得られた新知見より着想をえて、来院時血糖値が心筋梗塞の梗塞心筋量を増加させること、石灰化結節病変におけるステント植え込み後血管反応が違うこと、またno reflow現象が、冠動脈プラーク内のコレステロール結晶による末梢塞栓が関連していることを英文誌にfull paperとして報告した。 特にno-reflowとコレステロール結晶の末梢塞栓の関連についての研究は、従来の病理手法では解明し得なかった知見である。低侵襲剖検により、生体のあった姿により近い状態で冠動脈プラークや心筋病理を観察しえるため、従来であれば病理スライド作成時に消滅していたコレステロール結晶を観察できたため、no-reflowとの関連性について明らかとなった。 no-reflow現象は、一度おきると予後不良のため、その予防や治療は非常に重要であるが、今回の知見を元に、新たな予測方法や治療法の開発につながると期待される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍における、精密光学機器の販売ネットワークの崩壊及び、ロシアーウクライナ戦争によるレーザー機器販売規制強化、輸出規制により、適切なスペックのレーザー光発生装置の購入が難しいため。
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今後の研究の推進方策 |
現在使用している、レーザー光発信装置を改変し、作成機器に取り付けることが必要になってくる可能性が大である。その場合、解像度が低下することは避けられないため、プローベをより対象物に近く持っていくための手法の開発が必要となってくる。
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