研究課題/領域番号 |
19K22797
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分59:スポーツ科学、体育、健康科学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
山梨 義英 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (20582018)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2020年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2019年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | VLDL / LDL / S1P / スフィンゴミエリン / NPC1L1 / リポ蛋白質 / 動脈硬化症 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、動脈硬化症などの疾患発症リスクとの関連から、リポ蛋白質の「量(血液中濃度)」に加えて、「質(生理活性の強さ)」の重要性が明らかとなりつつある。また、リポ蛋白質が様々な食成分(栄養素や薬物)を包含し、それらの運搬体として機能することも見出されている。本研究は、食成分のリポ蛋白質への分布に着目し、食成分がリポ蛋白質の「質」に及ぼす影響を明らかにすべく企画された。得られる成果は、食成分の新たな生理活性や毒性の発見に繋がるとともに、リポ蛋白質の「質」の改善をねらう全く新しい食事療法や創薬コンセプトの提唱にも繋がり、生活習慣病の治療や予防に大きく貢献することが期待される。
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研究成果の概要 |
マウスにおいて、高脂肪食摂取によるVLDL/LDLの構成成分の変化を網羅的に解析した結果、生理活性脂質であるスフィンゴシン-1-リン酸(S1P)の増加が認められた。興味深いことに、この上昇は、消化管コレステロール吸収トランスポーターNPC1L1の遺伝子欠損マウスやNPC1L1阻害剤エゼチミブの投与により消失した。S1Pは高脂肪食に豊富に含まれるスフィンゴミエリン(SM)の代謝物であることから、SMの消化管吸収にNPC1L1が関与する可能性を考え検討を行った結果、SMはNPC1L1の生理的基質であり、エゼチミブ感受性かつNPC1L1依存的な消化管吸収制御を受けることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
コレステロール吸収輸送体であるNPC1L1がSMの消化管吸収にも関わり、血液中のVLDL/LDL-S1Pレベルを制御することが示唆された。これらの成果はスフィンゴ脂質の恒常性維持におけるNPC1L1の新たな生理的役割を明らかにした点で、また、食事依存的なVLDL/LDLの構成成分の変化にNPC1L1が関わる可能性を見出した点で、生理学的・栄養学的に重要な知見である。
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