研究課題/領域番号 |
19K22806
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分59:スポーツ科学、体育、健康科学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
江川 達郎 京都大学, 人間・環境学研究科, 助教 (00722331)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
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キーワード | サルコペニア / 骨格筋 / 老化 / カルボニルストレス / glyoxalase / 糖化 / 加齢 / ミトコンドリア / 主成分分析 / 免疫沈降 / カルボニル / グリオキサラーゼ |
研究開始時の研究の概要 |
植物の病気予防システム(カルボニルストレス解毒システム)を参考に、本研究では、カルボニルストレス解毒システム(glyoxalase system)をターゲットとして骨格筋老化抑制が可能であるか検証する。まず、若齢および高齢マウスを用いて、骨格筋のglyoxalase I発現と活性を調べ、加齢に伴って骨格筋のglyoxalase systemがどのように変化するのか明らかにする。次に、glyoxalase systemの活性化が骨格筋の老化抑制に有効であるのかについて、老化促進マウスにglyoxalase I 誘導剤を投与し検討する。
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研究成果の概要 |
本研究の検討により、加齢に伴い骨格筋のカルボニルストレスが増加することが明らかになった。さらには、このカルボニルストレスの増加はミトコンドリアタンパク質や細胞外構造体の糖化状態を進行させ、骨格筋の機能低下をもたらしている可能性が示された。しかしながら、その対抗策として、カルボニルストレスの抑制につながる化合物Aの投与が、骨格筋老化抑制に有効であることも明らかになった。以上より、骨格筋老化抑制のターゲットとしてカルボニルストレスの抑制は有効であるものと考えられ、今後は薬物療法などの臨床応用へ展開することで、高齢者の介護予防に貢献することが期待できる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
高齢社会の進行に伴い介護高齢者の増加が社会問題となっている。介護に至る最大要因として運動器疾患が挙げられ、中でも骨格筋の機能低下を防ぐ手段の構築は喫緊の課題である。本研究では、骨格筋老化を進行させると考えられているカルボニルストレスに焦点を当て、カルボニルストレスの抑制が骨格筋老化抑制に有効であるか検証した。その結果、老化骨格筋で増加しているカルボニルストレスを薬物で抑制することにより、筋萎縮抑制や血管新生促進がもたらされることを明らかにした。この成果により、将来的にカルボニルストレスの抑制をターゲットにした老化抑制剤の開発が進むことで、健康社会の構築に有益な効果をもたらすことが期待できる。
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