研究課題
挑戦的研究(萌芽)
適量の栄養素を摂取することは、病原体に対する防御機構を維持し、感染症を予防する上で極めて重要である。そこで、重要性が明らかな一方で、多くの謎が残されている「栄養素の健康増進作用と防御機構の関係」を明らかにすることに挑戦する。特に、感染防御に大きく寄与する「自然免疫機構を介したサイトカインの産生に対する栄養素の効能」という独自の視点から解析を進める。本研究は、栄養不足による感染症発症リスクを判断する基準の策定や適量の栄養素摂取を基盤とする感染症予防法の開発の礎となり、ひいては栄養学および健康科学の発展に寄与するものである。
栄養不足により病原体に易感染性となることは、古くからよく知られている。風邪を引いた際に、しっかりと栄養を摂取することにより体調が回復した経験は、皆に共通のものだろう。しかしながら、適量の栄養摂取が防御応答の誘導に不可欠である理由については、不明な点が多く残されている。本研究では、病原体に対する防御応答において重要な役割を果たす自然免疫機構およびサイトカインに着目し、栄養不足により防御応答不全に陥る機序の解明を目指して研究を行った。解析の結果、自然免疫機構を介した炎症性サイトカインIL-1betaの放出に特定の栄養素が必要であることを見出した。
本研究は、「なぜ栄養を十分に取らないと感染に弱くなるのか?」という古くから知られている、しかし回答することが難しい、栄養学および健康科学研究分野における根源的な謎に対する答えを導き出すための分子基盤を整えるものでる。本研究によりアミノ酸がTLRを介したIL-1betaの発現を増強する機序が明らかになれば、感染症を予防するために栄養素の摂取が必須である理由の一端を説明することが出来るようになる。
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すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 4件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (16件) (うち招待講演 4件)
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