研究課題/領域番号 |
19K22821
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分59:スポーツ科学、体育、健康科学およびその関連分野
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研究機関 | 東北大学 (2022) 東邦大学 (2019-2021) |
研究代表者 |
海老原 覚 東北大学, 医学系研究科, 教授 (90323013)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 味覚障害 / リハビリテーション / 4味 / 味覚 / 4味 / 想起 / 嚥下 / 味覚閾値 / 舌圧 / 口腔乾燥 / リハーサル |
研究開始時の研究の概要 |
高齢化とともに急増している味覚障害は、食欲不振による栄養摂取低下からサルコペニア・フレイルをまねき高齢者の生命を脅かす。この多くは原因不明の特発性である。特発性味覚障害に対してこれまで全く試みられることのなかったリハビリテーションの手法(摂食嚥下リハビリテーションと高次脳機能神経心理訓練)を応用し、有効な治療法を開発することが本研究の目的である。これまでの医学ではほとんど捨て置かれてきた原因不明の味覚障害(特発性味覚障害)の治療を、感覚生理学の知識を基盤に神経心理学の手法を使い、リハビリテーション医療という実学のなかで結実させようとする点で新規性が高い。
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研究成果の概要 |
味覚障害の症状を持つ患者は高齢化とともに増加していたが、味覚障害に対する明確な治療法は確立されていない。そこで私たちは、味覚障害の新たな治療法として味覚リハビリテーション法を開発した。味覚リハビリテーション法は、濾紙ディスク法によりその人の味覚閾値周辺の味覚を記憶させることを基盤としたリハビリテーション法である。健常者を対象にその効果検証を行ったところ、甘味・塩味・酸味・苦味の4つの基本味すべてにおいて、リハ群では味覚の感受性が優位に高まった。以上のことから、今回開発した味覚リハビリテーション法は味覚感受性を向上させることが可能であり、味覚障害に対する治療法の1つとなることが期待される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年、高齢化とともに味覚障害患者が増加していることに加え、COVID-19感染後に味覚障害が残存する患者が報告され、味覚障害はこれまでにない大きな社会問題になっている。しかし、多くの味覚障害はその発生機序が不明であり、味覚障害に対する明確な治療法は存在していないのが現状である。そのため味覚障害に長的に悩む患者の急激な増加が危惧される。本研究で、私たちが開発した味覚リハビリテーション法が味覚感受性を改善させる可能性があることがわかった。今後、味覚障害患者に対する新たな治療法の一つとして、味覚リハビリテーション法が確立することが期待される。
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