研究課題/領域番号 |
19K22823
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分59:スポーツ科学、体育、健康科学およびその関連分野
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研究機関 | 麻布大学 |
研究代表者 |
永澤 美保 麻布大学, 獣医学部, 講師 (70533082)
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研究分担者 |
野元 謙作 獨協医科大学, 医学部, 講師 (30786976)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2020年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2019年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | Social exercise / イヌ / 共生 / 同調 / コルチゾール / 内分泌 / 運動活性 / 健康 / 腸内細菌叢 / 運動 |
研究開始時の研究の概要 |
生物学的親和関係を構築したヒトとイヌの共進化は、互恵的なパートナー関係をもたらし、イヌとの生活によるヒトの心身の疾病の予防・改善効果が報告されている。また、実験動物では仲間との運動により、うつ症状やストレス状態が改善していることから、運動の社会的共有(Social exercise)に注目した。イヌとの生活が飼い主のSocial exerciseを長期的に高め、飼い主の健康状態の向上に寄与するとの仮説を立て、加速度センサー装着により数か月にわたるSocial exerciseを計測し、あわせてヒトの健康指標の変化を追跡する。ヒトとイヌの互恵的関係の効果をヒトの健康と福祉に役立てることを目指す。
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研究成果の概要 |
イヌとヒトの共生によるsocial exerciseの促進とそれに伴う心身の変化を明らかにすることを目的とし、飼育開始から6ヶ月間の長期的ライフログを行った。譲渡3ヶ月後頃から、イヌとヒトの運動活性の同調傾向がみられ、イヌにおいては、同じく譲渡3ヶ月で落ち着きがみられ、活動と休息が明確化し、飼育期間に伴いイヌのコルチゾール値が次第に減少する傾向がみられた。一方、ヒトではコルチゾール値が上昇する傾向がみられた。イヌの飼育によって活動量の増加傾向がみられたことがコルチゾール値の上昇につながったと解釈できる。ヒトの心理アンケート調査では、飼育経験に伴って社会的関係の項目が有意に増加した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ヒトとイヌが共同生活を始めてからおよそ3ヵ月程度で運動活性の同調がみられ、ヒトのQOLの上昇も認められた。イヌの飼育による効果は古くから言われてきたが、本研究のように共同生活を長期にわたって詳細に調査した例はない。イヌとヒトの互恵的関係がどのように構築されるか明らかにすることは、現代日本が抱える様々な問題解決の糸口になることが予想される。 また、ヒトとイヌは同調傾向にあるにも関わらず、両者のオキシトシン値は低下傾向を示した。短期的での関係構築とは異なり、長期的に関係を維持するうえでオキシトシンがどのような役割を果たすのかを考えるうえで、非常に興味深い知見が得られた。
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