研究課題
挑戦的研究(萌芽)
最近、臓器・組織間の連関・相互作用「臓器間ネットワーク」による生体諸機能の調節機構の存在が明らかになったが、骨格筋細胞と消化管ホルモン間の臓器間ネットワークの存在は不明である。そこで本研究では、骨格筋量を調節における消化管ホルモン胃抑制性ポリペプチド(gastric inhibitory polypeptide: GIP)」の役割を解明し、経口の食事の新たな生理学的意義を提示することを目的とする。
本研究では、骨格筋量を調節する臓器間ネットワークにおける消化管ホルモン「胃抑制性ポリペプチド(GIP)」の役割を解明し、経口の食事の新たな生理学的意義を提示することを目的として、GIPの筋量の及ぼす影響を培養細胞実験ならびに動物実験により追究した。その結果、GIPは筋管形成および筋管細胞の肥大の促進作用を持つことが確認された。GIPによる筋肥大促進作用は認めなかったが、GIPは廃用性筋萎縮に伴う速筋化を抑制した。以上より、GIP内分泌を促す経口の食事は、骨格筋の増量すなわち骨格筋機能を亢進することが示唆された。
食事により分泌されるGIPは消化吸収機能の制御に関与するのみと考えられてきたが、本研究により骨格筋量の調節においても役割を担っていることが明らかになった。経口の食事を摂るという行為自体が、GIPなどの消化管ホルモンを介して、健康寿命の延伸において重要な意味を持つという、経口の食事の新たな生理学的意義が示された。骨格筋萎縮対抗策の新たな標的になり得る食事に対するパラダイムシフトが必要であると考えている。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (8件) (うち査読あり 6件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (17件) (うち国際学会 3件)
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