研究課題/領域番号 |
19K22829
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分59:スポーツ科学、体育、健康科学およびその関連分野
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研究機関 | 龍谷大学 |
研究代表者 |
田原 大輔 龍谷大学, 先端理工学部, 准教授 (20447907)
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研究分担者 |
二宮 早苗 大阪医科薬科大学, 看護学部, 准教授 (70582146)
岡山 久代 筑波大学, 医学医療系, 教授 (90335050)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
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キーワード | サポート下着 / 腹圧性尿失禁 / バイオメカニクス / 有限要素法 / モデリング / 軟組織 / 最適設計 / MRI / 材料特性計測 / 計算力学シミュレーション / ダミーモデル / 看護 |
研究開始時の研究の概要 |
女性の尿失禁改善用サポート下着の経験と勘に基づく開発方法に代わり,生体モデルによる実験と計算力学シミュレーションによる骨盤周囲の力学的挙動の評価方法を確立し,生体力学的に裏付けされた下着の最適設計戦略を提示する.具体的に,生体類似特性のダミーモデルによる試作下着の着圧分布と膀胱挙上量の実験的評価法,サポート力を生む下着繊維の編み方のモデル化,骨盤部の筋骨格モデルに年齢・体格のばらつきを与えて下着のサポート力・着圧分布と膀胱挙上の関係を定量化する計算力学的評価法を確立し,製作可能なサポート下着の最適設計戦略を示す.
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研究成果の概要 |
女性の尿失禁改善用サポート下着の経験と勘に基づく開発法に代わり,計算・解析による骨盤周囲の力学的挙動の評価と下着の最適設計戦略の提示を目的とした.女性被験者の臀部のMRIベース有限要素モデルを基に,軟組織の非線形特性を考慮するための超弾性特性のモデル化,下着の生地の剛性の大きさ・異方性の導入,シェル要素に線膨張係数を用いた収縮挙動の表現を行い,適切な下着の設計指針を探索した.一例として,腹部から恥骨周囲の下着の締め付け圧力の低下,会陰前部から尾骨周囲の圧力の上昇,裾部分の締め付けを強化する設計が有効であることを提示できた.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
第一に,経験と感覚が支配的な看護研究の姿勢に対し,工学的な手法により得られる定量的根拠に基づく解決法の提示とその重要性を示せたことで,発想の転換を狙える可能性を見出した.第二に,計算モデルによる解析が,実際の被験者を対象とする試験の代替となる発想を提示することができた.今後のヒト対象のものづくりの解決方法として,インパクトを与える可能性が期待できる.第三に,女性の羞恥心を解決するための工学手法によるサポート下着の設計戦略提示の重要性を示したことで,下着の履き心地開発やアプリのユーザービリティ開発等の新たな研究が促進される.工学,看護学双方に有益で重要な知見の新たな取得が期待できる.
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