研究課題/領域番号 |
19K22847
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分60:情報科学、情報工学およびその関連分野
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研究機関 | 立教大学 (2020-2022) 九州大学 (2019) |
研究代表者 |
安田 雅哉 立教大学, 理学部, 教授 (30536313)
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研究分担者 |
高島 克幸 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (70723964)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 同種写像暗号 / 楕円曲線 / 同種写像問題 / Deuring対応 / 耐量子計算機暗号 / 超特異楕円曲線 / 自己準同型環 / 四元数環 / 同種問題 / Velu公式 / ポスト量子暗号 / グレブナー基底計算 / 同種写像パス探索問題 / 連立代数方程式 / 解読アルゴリズム |
研究開始時の研究の概要 |
楕円曲線上の同種写像を利用した同種写像暗号は量子計算機に耐性のあるポスト量子暗号として近年注目されている.同種写像暗号の安全性は同種写像計算問題と呼ばれる数学問題の計算困難性に依存するが,解読アルゴリズムの開発・解読実験を含めた安全性解析が不十分で,今後の実用化に向けた最重要課題となっている.本研究では,同種写像が持つ代数的性質を利用した新しい解読法の探求を目指す.さらに,解読実験による計算量評価を行い,同種写像暗号の安全パラメータ選択の指針を示す.本研究により,既存方法よりも高速な解読アルゴリズムの開発を行うと共に,安全パラメータ選択法などの安全性解析法の確立を目指す.
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研究成果の概要 |
耐量子計算機暗号候補の1つである同種写像暗号の安全性を支える同種写像計算問題に対して, 数理的技法による解読アルゴリズムを開発すると共に, 実装結果を元に同種写像暗号への影響を評価した.具体的には, 同種写像計算問題を連立代数方程式に帰着し, グレブナー基底計算アルゴリズムを用いて求解する解読法を開発し, 同種写像暗号方式SIKEに対する解読時間を実装評価した.また, 有限体上の超特異楕円曲線に関する構成的Deuring対応計算の高速化に成功した.さらに, 超特異楕円曲線上の同種写像パス探索と同値な自己準同型環計算のアルゴリズムの開発と実装に成功した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では, 耐量子計算機暗号候補の1つである同種写像暗号の安全性を支える同種写像計算問題に対して, 代数的手法に基づく解読実験によって多角的に安全性解析を行った.今回得られた解読手法と解析結果は, 同種写像暗号における暗号方式として安全なパラメータの選択時に活用することができる.特に, 本研究による多角的な安全性解析は, 同種写像暗号がどの程度安全か評価するための学術的データを与えるため, 耐量子計算機暗号としての同種写像暗号の標準化活動への貢献が期待できる.
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