研究課題/領域番号 |
19K22859
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分61:人間情報学およびその関連分野
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
北川 博之 筑波大学, 計算科学研究センター, 教授 (00204876)
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研究分担者 |
堀江 和正 筑波大学, 計算科学研究センター, 助教 (60817112)
塩川 浩昭 筑波大学, 計算科学研究センター, 准教授 (90775248)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
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キーワード | 生体データ / 深層学習 / 個人特性 |
研究開始時の研究の概要 |
ヒトから得られる生体データは,思考や身体動作・健康状態といった情報を直接的に含んでおり,機械学習手法等を用いて前者から後者を推定する研究が行われているが,個人差の影響が大きいことが知られている.生体データの計測には多くの時間・手間が必要であり,一般には個人に合わせたモデルの作成が難しい. 本研究では,写真に対して絵画の画風という個人特性を反映させる深層学習手法にヒントを得て,筋電位を対象として,動作判定用のCNNと個人特性ベクトル化用のCNNを組み合わせることで,被験者の特性(筋電位の場合,筋量,皮下脂肪量等)を考慮した生体データを自動生成する手法の開発を目指す.
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研究成果の概要 |
本研究では,スタイル変換手法の視点から,生体信号を対象とした深層学習モデルの学習サンプルを自動的に生成・獲得する方法の開発を目指し,今後の展開につながる知見が得られた.成果としては,マウス生体信号向けノイズ除去モデルNR-GANの開発がある.敵対的生成ネットワーク(GAN)をベースとして,手本となるノイズ除去例無しに除去手法を獲得可能であることを示した.ノイズ有無というスタイル変換を実現した例と考えることができる.また,文章(テキスト)に対するスタイル・コンテンツ特徴空間生成に関して,スタイル・コンテンツの分離と文章特徴の適切な分布の両立をFlowモデルにより達成できることを示した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では,生体信号のノイズ除去を一種のスタイル変換とみなし,手本となるノイズ除去例なしに実際のマウス生体信号に対するノイズ除去が実現可能であることを,NR-GANの開発により示した.また,文章を対象に,従来手法よりもスタイル変換に適した多変量正規分布に従う特徴空間の獲得を行うことができた.これらの点より,スタイル変換に基づくデータ変換・生成に対して一定の学術的貢献ができたと考える.GANに基づくノイズ除去手法の開発は,ノイズ除去前後の学習サンプルを大量に用意する必要がない点に特徴があり,生体信号を用いる医学・生命科学研究分野等での実際のデータ分析においても貢献できる可能性がある.
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