研究課題/領域番号 |
19K22862
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分61:人間情報学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
廣瀬 通孝 東京大学, 先端科学技術研究センター, 名誉教授 (40156716)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2020年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2019年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
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キーワード | バーチャルリアリティ / アバタ / 空間知覚 / 身体性 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は,バーチャルリアリティで自らが操るアバタの身体特性を変化させる実験系を駆使し,自己の身体特性が空間知覚に与える影響とそのメカニズムを明らかにすることである.この知見を応用し,想定される空間知覚の歪みに応じて身体特性を変化させることで現実と等価な歪みのない空間知覚の下にVRを体験可能にするアバタ表示手法を実現し,現状のバーチャルリアリティでは現実での知覚と比べて空間知覚が大きく歪むという問題を解決を図る.
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研究成果の概要 |
アバタの身体特性が空間知覚に影響するメカニズムの調査として,特に瞳孔間距離(IPD)と,アバタと環境のレンダリング様式という要因に着目した新規性の高い検証に取り組み,前者ではIPDと身体の見えが相互作用して身体と外界のサイズ知覚を変化させること,後者ではレンダリングスタイルは空間知覚にほとんど影響しないことを示した.また,身体特性が空間知覚を変化させるメカニズムとして身体近傍空間の柔軟性に着目し,身体近傍空間の更新において手の運動様式や外見が重要な役割を果たすことを初めて指摘した.これらの知見を応用したバーチャル空間向けのユーザインタフェースと遠隔協調作業支援手法を提案し,有効性を示した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
学術的には,身体の大きさの認識がIPDに影響されること,レンダリング様式やその組み合わせが空間知覚にはほとんど影響しないこと,身体近傍空間の柔軟な再構成には従来考えられてきたような刺激と身体の空間的な近接性だけでなく手の運動様式や手の外見(正転vs反転)が影響する可能性があること等,人間の身体知覚と空間知覚の相互作用に関する多くの新規知見が報告されたことに意義がある.社会的には,より正確な空間知覚や空間把握のもとに効果的に作業を行えるバーチャルリアリティ向けのインタフェースや遠隔協調作業支援手法が開発され,基礎研究に基づいた実用的な成果が得られた点に意義がある.
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