研究課題/領域番号 |
19K22869
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分61:人間情報学およびその関連分野
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
大岡 昌博 名古屋大学, 情報学研究科, 教授 (50233044)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2020年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2019年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 触覚 / Gestalt / 仮想表面 / 材質感制御 / バーチャルリアリティ / 情報統合化 / 理論構築 / ベルベット錯触 / ゲシュタルト |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,ヒトが物体を触って得られる種々の情報を統合して,最終的に触っているものが何であるか理解する過程を明らかにする理論構築を目指している.Gestalt理論は,情報を統合化する過程を研究する上で重要であることから,錯覚現象を通じて触覚のGestaltについて実験的に明らかにして新しい触覚のGestalt理論を構築する.上述の目的を達成するため,広域ドットマトリクスディスプレイを開発するとともに,その装置上にVHIだけでなくKanizaの三角形などの図形を呈示して,Gestaltと錯触の関係を調査する.さらに,NIRSを用いた脳の機能解析も実施して,錯触の制御法を確立する.
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研究成果の概要 |
本研究では,心理物理学実験の結果に基づき触覚のGestalt理論を確立することを目指す.このため,まず二本の鋼線の位相差と速度比を種々変化させて心理物理実験を行い,この2つのパラメータとVHI感の関係を調査した。その結果,触覚のGestaltとして平行移動と伸張の要因を新しく導入して,これらによりVHI感を予測する数式を定式化した.この導かれた数式を用いれば,本年度の実験結果だけでなく,条件の異なる実験結果に対しても精度の高い予測が可能となることを明らかにした.また,心理物理実験法とNIRSにより,触覚次元を構成する要因やVHIと脳賦活の関係についても調査した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では,新しいVRの開発に役立てるために触覚のGestalt理論の確立を目指し,心理物理実験とブレインマシンインタフェース技術を駆使してベルベット錯触とGestaltの関係を調査した.その結果,平行移動の要因と伸縮の要因によりベルベット錯触の生起の強度を予測できることを示し,定式化に成功した.また,因子分析により,ドットマトリクスディスプレイで生起されるベルベット錯触が二本鋼線で生起されるものと同等であることを示し,VRにおいて滑らかさの演出の制御を可能とする道を開いた.
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