研究課題/領域番号 |
19K22876
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分61:人間情報学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
福井 健一 大阪大学, 産業科学研究所, 准教授 (80418772)
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研究分担者 |
冨田 智彦 熊本大学, 大学院先端科学研究部(理), 准教授 (20344301)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2020年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2019年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
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キーワード | ディープラーニング / 偏微分方程式 / 温度風 / マルチタスク学習 / 敵対的サンプル生成 / 物理モデル / PINN / 気象予測 / 残差項 / 温度風方程式 / 地衡風 / データ駆動 / モデル駆動 / モデル残差 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,人工ニューラルネットワークにおいて運動方程式などの既知物理モデルによる制約を導入することで,物理モデルに従う成分とそのモデル残差項を分解して学習可能な新規フレームワークの確立を目的とする.機械学習によるデータ駆動型予測と物理モデルによるモデル駆動型予測の融合を図ることで,両者の欠点を補い合い予測精度の向上が期待できる.予測精度のみでなく,残差成分を分解して予測可能になることで学理探究への糸口となる.本研究では,気象における対流圏上層の風予測を題材に,予測精度の向上とデータ駆動型科学として気象学の進展を目指す.
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研究成果の概要 |
本課題では次の2つの課題に取り組んだ.1. 既知の物理モデル成分とモデル残差成分を分解して出力可能なディープラーニングアーキテクチャを提案し,下層の大気状態から対流圏上層の風速を推定する課題を題材として提案法の精度検証を行った.提案法による残差成分の風ベクトル空間分布について気象学の知見から妥当性を考察した.次に,2. 偏微分方程式の任意の位置における解の値を自動微分とディープラーニングにより求める方式に関して,マルチタスク学習と敵対的サンプル生成による改善法を提案した.いくつかの基本的な偏微分方程式を対象に推定精度の向上を確認した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果の1. 物理モデル成分とモデル残差成分を分解して出力可能なディープラーニングアーキテクチャと,2. ディープラーニングと自動微分による偏微分方程式の求解の高精度化,の両者を将来的に統合することで,End-to-Endで任意の観測量から偏微分方程式を満足するように任意の物理量を推定することが可能になる.本統合方式により,観測データと既知の方程式を有する自然科学において,両者を活用して予測精度の向上や最適化など広く応用が期待できる.
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